|
第二十四章 月への切符 あと50年から100年で地球上の人間を中心にした有機生命体は地球から月へ移住することになるでしょう。 ちょうど、ノアの箱船にそれぞれの動物がオス・メスつがいで生き延びるために乗せられたのと同じように、月への移動がこれから起こってきます。 ただ、今でも60億以上の人口を持つ人間が50―100年後には恐らく100億は超えると予想されます。 前にも、お話しましたように人間の消費するエネルギーは一日約2万キロカロリーで、恐竜とほぼ同じだけの活動エネルギーを消費しています。 自分の体だけなら最低2千キロカロリーでいい訳ですが、現代の人間の活動エネルギーとなると、自分の体を最低限維持するエネルギーの10倍は使っている。 考えても見てください。 病院で入院している患者の最低必要カロリーが約2千キロカロリーですから、普通に日常活動している人間は自分の体だけではなく、いろいろな道具を駆使して高い効率の仕事をしておるわけで、その活動エネルギーは、ゆうに10倍の2万キロカロリーは使っている。 これはちょうど、恐竜時代の巨大な恐竜の活動エネルギーに匹敵する訳でして、現在でも地球上に60億以上の恐竜が闊歩しておる姿を見るだけで地球は恐竜に覆い尽くされてしまうでしょう。 一方、月は地球の大きさの約4分の1ですから、100億の人間を収容するなど到底不可能で、他の有機生命体とのバランスを考えたらせいぜい10−15億人が妥当でしょう。 そうすると現在の人口でも5分の1、100年後を考えると7分の1から10分の1程度の人間しか月に移住することは出来ない。 もちろん、地球自体に有機生命体が完全に住めなくなるような状態にはなりません。 もし、そうなったらわたしの存在価値は全くなくなってしまいますから、ただ地球上の有機生命体が48個の法則から96個の法則である月に馴染むことが出来るものと出来ないものとがあって、ある意味で進化した有機生命体が月に移動することは、更なるステップである月から絶対宇宙への回帰という段階でどうしても必要なのです。 だから、地球に留まる有機生命体(もちろん人間を筆頭にしたいろいろな生物)と月に移動する有機生命体とに分割される訳です。 そうすることによって、瀕死の状態である地球も回復して地球から月、月から絶対宇宙という流れを、今のようにギクシャクしたものから解放できる。 結局、わたしとテンシは親子ではあるのですが、それぞれの役割があって、その役割が、どうも今までは、はっきりしていなかった。と言うより、まだテンシの肉体である月が役割を果たすことが出来るほど成長していなかったと言った方が適切でしょう。 月の「想い」であるテンシも以前に比べてだいぶん大人になってきて、すぐにカッとなったりしなくなったのも、月が成長した顕われだとわたしも喜んでいます。 親というものは、人間でもそうでしょうが、子供が成長して、独り立ちしてくれることを望む一方で、親離れしていくことに一抹の寂しさを感じるのと同じ心境なのです。 つい愚痴を言ってしまって申し訳ありません。 大事なことは、地球から月に移動する有機生命体の代表格である人間は、今まで住んでいた地球レベルそのままでは月には住めません。 しかも月の大きさから考えてもせいぜい10−15億人が限界です。 ざっと言えば、今の地球に住んでいる人間の10人に1人ぐらいしか月への切符を手にすることは出来ません。 月の切符を手にすることが出来る人間と、そのまま地球に留まって、瀕死の状態の地球を回復させる人間との違いは、是々非々ではなく、48個の法則しかマッチできないものと96個の法則までマッチできるものとの違いだけであって、ある意味で多様化に対応出来るか出来ないかの違いです。 地球に住んでいる人間でも、年老いたものと、若いものとの間ではギャップがどうしても起きる。若いものは新しいものに対応する柔軟性を持っているが、年老いたものはなかなか対応出来ないのと同じことが地球人と月人との違いなのです。 その区分け作業が、そろそろ始まるのです。 あなたは、地球人なのか、月人なのか、それは精神性のレベルにかかっているのです。 |