第十一章 努力の価値

能力がある人間は、努力の出来る人間だと前に申し上げました。
それでは、努力とは何なのか。
本章では努力について、掘り下げていきたいと思います。
努力とは、女の又の力だと、以前、あほな人間から聞いたことがありました。
なかなかうまいことを言う奴だと、内心で思ったものです。
それでは、最近の女性はまったく努力をしておらんということになるのではないでしょうか。何故、女性が又に力をいれなければならないか。
ええ!何ですって。最近の女性の方が一所懸命、又に力をいれておるって言われるのですか?頭がおかしくなってきました。本題に戻りましょう。
努力をするという言葉から、皆さんはどんなイメージが浮かんで来るでしょう。
多分、しんどいこと。苦しいこと。我慢してやること。嫌なこと。といったマイナスのイメージしか湧いて来ないのではないかと思います。
一方、嫌なこと、出来ればしたくないこと、と思ってはいるが、大事なことだとも思っている。そうではないでしょうか。
ここに、問題の根元があるのです。
努力はするべきだが、努力することは、出来る人間と、したくても出来ない人間がいる、とよく言われますが、その原因がここにあるのです。
一人の人間の中に、努力を、プラスイメージとして持っている自分と、マイナスイメージとして持っている自分という二人の自分がいる訳です。これがまさに精神に分裂を来しているのです。
人間は、すべて精神分裂気味な動物なのであります。その程度がきつければ病院行きになる訳です。
本来の自分は一人なのです。独りと言ってもいいでしょう。
独りの自分だけになると、努力とは素晴らしいものだと思うのです。実際に努力することによって、それまでの自分の世界がどんどん拡がっていく、新しい世界が目の前に幻想ではなく、現実に展開されていくのです。これは素晴らしい体験です。
たとえば、あなたが映画を見に行って、スクリーンに素晴らしい景色が映る。その瞬間に、あなたはその景色の現実の真中にいると考えて見て下さい。素晴らしい体験ではないでしょうか。夢を見ていたことが、現実になる。
これほど素晴らしい体験はないはずです。
それを可能にしてくれるのが努力なのです。それ以外、いかなるものも可能にはしてくれません。努力だけが可能にしてくれるのです。
それでも、努力は、しんどい、苦しい、我慢が要る、嫌なものですか?
そう思う、虚像の自分を、放り出すことです。
努力を素晴らしく思う、実像の自分だけを残しておくことです。
それでは、一体、いつ、どんなふうに、努力を、しんどい、苦しい、我慢が要る、嫌なものと思う虚像の自分が、あなたの中に入り込んだのでしょうか。
それは、あなたが生まれて数年の間は、外の世界とほとんど遮断されていたのに、だんだん外の世界と関わりを持つようになってきます。つまり他の人間と関わりを持ってきます。
この他の人間がまさに虚像なのです。たとえ母親であっても、それは虚像なのです。
あなたの意識はそれを知らない。しかし無意識、そしてその下にある潜在意識、更に、その下にある集合意識では、それを知っているのです。
だから、他との関わりの時、相手が虚像なのだから、自分も虚像を出さなければならなくなる。そして無意識が、その虚像を創り出し、相手と対応させる訳です。
他との関わりが、最初は母親だけでよかったのが、だんだん大きくなっていくにつれて数えきれない他人と関わりを持つようになる。それだけの虚像が、無意識のうちに創られているのです。そのうちに実像の自分と無数の虚像とが区分け出来なくなる。
それが、あなたの現実なのです。
従って、実像の自分をはっきりと区分け出来るように、元に戻ることです。
努力は必要なものだと思っているあなたがいるのでしょう?
それすら思わなくなっているあなただとしたら、これは重症です。
病院行きでしょう。病院と言っても、一般の病院ではありません。地球上にある病院ではありません。この病院に行かされると、これは大変な苦痛です。朝も夜もない、睡眠も一切取らしてくれない、ずっと重労働をさせられる病院です。
努力が必要なものだと思う実像の自分を思い出すまで、その病院におらなければなりません。
最近の世界を見ていますと、60億以上の人間の大半は、病院行きの対象です。
だから、早く、努力は良いものだと思える実像の自分を思い出すことです。
多分、わたしの自叙伝を読もうと思われている人は、そんな心配はないと思います。
しかし、あなたのまわりの大事な人たちの中には、たくさんいるはずです。
なんといっても、10人の中、9人までが病院行きの人たちですから。
その人たちに言ってあげて欲しいのです。
努力することが素晴らしいことだと体験することを、教えてあげて欲しいのです。
実像の自分を取り戻す唯一の方法は、努力してみることです。そして一度、その良さを味わったら、必ず取り戻せるのですから。
努力の良さは、努力した者しか解らない。
努力することです。最初は、しんどい、苦しい、我慢が要る、嫌なものだと思っても、努力することです。