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第十六章 忍耐力 人間にとって耐える力を発揮することが一番エネルギーを必要とします。 そのエネルギー量たるや、莫大なものです。 普通、人間の消費エネルギーは最低でも1日2千キロカロリーから2万キロカロリーだと言ったことがあります。 2万キロカロリーというと、古代恐竜の1日の消費エネルギーに相当すると言いました。他の動物にとって、人間という動物は巨大恐竜のように見えるのです。 しかし、耐える力、大きなエネルギーのベクトルの変更をする力は、恐竜のエネルギーどころではありません。 その最大のものが戦争ではないでしょうか。 大きな戦争でも、局地戦争であっても、戦争を終結する際に、巨大なエネルギーが発生します。その巨大なエネルギーによって、戦争を継続する悪循環を絶つ、逆のベクトルのエネルギーが発露されるのです。 第2次世界大戦でのドイツの降伏は、連合軍のノルマンディー上陸という巨大なエネルギーの発露によって、成されました。 大東亜戦争での、日本の降伏は、広島、長崎への原爆投下という巨大なエネルギーの発露によって成されました。 耐える力というのは、決してじっと我慢していることではありません。それまでのエネルギーの流れを積極的に変えることなのです。 2本の原爆投下に使われた爆弾の大きさはTNT火薬相当で数千トンから数万トンクラスです。それで何十万の人間を一瞬のもとに絶滅させ、その後も何十万、いや何百万の人間を後遺症で苦しめています。このエネルギーたるや巨大であります。 原爆を投下したアメリカにとって、このエネルギーの発露は、忍耐力の発露だと信じているのです。当時のアメリカ大統領が原爆投下の演説で、我慢に我慢を重ねての結果であると言っています。 原爆投下の是々非々の議論は別として、彼らにとっては耐える力の発揮だったのです。その結果、何十万、何百万の命を奪ったのです。 ナチス・ドイツのユダヤ人ジェノサイドも数百万の命を奪いましたが、ヒットラーのドイツにとっては、耐えに耐えた結果の巨大なエネルギーの発露だったと、あの世で叫んでいるでしょう。しかしその結果、連合国の耐えに耐えた結果の巨大なエネルギーの発露がノルマンディー上陸だったのです。連合国が勝利を収めたのですから、ナチス・ドイツの言い分や、日本の言い分は認められません。連合国のやったことはすべて正義であったのです。そんな議論をここでする気持ちはありません。 問題は、流れを大きく変えるということは、耐える力、忍耐力から発揮される巨大なエネルギーによって為されるということを理解して欲しいのです。 個人的にも、忍耐力を発揮するには、普段のエネルギーの数十倍から数百倍のエネルギーが必要となります。 従って、不断のエネルギーの無駄使いを律する想いが大事であります。 一回の忍耐力を発揮するためには、数十日、数百日のエネルギーが蓄積されていないと出来るものではないのです。 だから、そう簡単に、耐える、我慢するなんて言えるものではないのです。 しかし、わたしもそうですが、人生で耐えなければならない時期が、必ず何度かやってきます。その時の為に、エネルギーの無駄使いは極力避けるべきだと思います。 |