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第十九章 人間の神 わたしは地球のカミから人間の神として、これから変身していかなければなりません。 従来、人間は自分たちの神として、いろいろな神を創造してきました。 天地創造の神が、代表的神でしょう。絶対宇宙を創造した神だとか、とにかく無から有を生んだのが神だとか、人間の男を土から生んで、その男のあばら骨から女を生んだとか、まああ、いろいろな神がおります。 この地球のへそである日本では、祖先はみんな神になるようです。考えてみれば、一番分かりやすい教えでしょう。 しかし、人間が考え得る神というのは、もちろん科学がこれだけ発達してわたしの曽祖父のイシキである全体宇宙の果てまで、観測出来るようになった人間でありますから、イメージとしては、全体宇宙の向こうに、無限の世界が展開し、そこのことは、人間では、推し量ることの出来ない世界があり、そこまでをも支配するのが神だと思えるのでしょう。そう思うのは人間の自由ですが、その神が、人間の世界を見守り、その神の意識を持った分身が人間の姿として顕れたなどと考えるのは、傲慢さを超えて馬鹿げています。 まず人間の存在など、絶対宇宙からしたら、大砂漠の砂一粒にも当たらないほどちっぽけな存在です。絶対宇宙、いや全体宇宙、星雲宇宙、にとっても人間の存在すら知りません。わたしたち銀河系星雲の中に太陽のような恒星が7000億個もあるのです。その一つの太陽の子である地球の一生命体である人間が、絶対宇宙から特別視されている存在などと考えることは、わたしは科学者を贔屓するつもりはありませんが、科学者からしたら、論外だと言って苦笑するでしょう。 もちろん科学者も、人間では推し量ることの出来ない大きな存在があって、それを神と定義することは容認するでしょう。しかしその大きな存在が、人間を見守り、時には、人間の姿をして顕れるなどということは絶対容認しないでしょう。 彼らが毎日、観測している宇宙を見ていて、そんな馬鹿げたことを思える訳はありません。 わたしの父であるヒカリにしても、最初は人間の存在など知らなかったし、知っても、鼻にもかけていませんでした。 同じ兄弟のクウやミズやイクサにしても、わたしから聞いて知ったのです。 人間のことを、目にかけてくれるのはわたし以外にせいぜいテンシぐらいです。 同じ人間である、あなた方もちょっと考えれば分かるでしょう。わたしでさえ、絶対宇宙のことは、ほとんど知らない。父のヒカリでも、それほど深くは知らない。 それが、人間が絶対宇宙の申し子なんて、非常識もはなはだしいとは思いませんか?そう思えるのが正常な人間です。 今までは、人間に対して特別視する「想い」などありませんでした。わたしにとっても地球の生命体の一つとしてしか見ていませんでした。 たしかに優秀な生命体であることは認めます。だから今度のように月という宇宙飛行船の宇宙飛行士の役割を得たのです。 そして初めて、人間だけを見守る神としてわたしが選ばれたのです。 確かに、これからは、わたしは人間の神になります。 しかし、今まで人間の神などはおらなかったことだけは肝に銘じておいて下さい。 これまでのわたしは、地球のカミ。これからのわたしが人間の神。 |