第三十八章 あほうな神

わたしたち宇宙飛行船テンシは絶対宇宙に突入して行きます。
しかし、ヒカリがブラックホールになるのも、ギンガがブラックホールになるのも、今から50億年後のことです。
しかし旅立ちは2100年に始まります。そして2100年に絶対宇宙と遭遇して2100年に帰還します。
時間の経過はまったくありません。
それは絶対宇宙に入ったと同時にタイムトンネルに入ったからです。
50億年後のことが、2100年のある時刻に瞬時にして起こるのです。
このことを理解するのは、困難でありましょう。
しかし、一つだけ理解出来そうな現象が起こります。
それは以前、ヒカリが教えてくれた反物質の存在であります。
確かに2100年に旅立った宇宙飛行船テンシは、50億年の時空の世界を超えた旅をして2100年に戻ってきます。
しかし、戻ってきた処は、まったく旅立った処と同じ景色でありますが、絶対宇宙というタイムトンネルを通って、我々の全体宇宙と反物質の関係にある、別の全体宇宙に行っているのです。
その反物質の全体宇宙に出る時、ギンガはエンジンからホワイトホールの出口を通って、反物質の銀河星雲に戻る(なる)のです。
ヒカリも宇宙飛行船テンシのエンジンからホワイトホールの出口を通って、反物質の太陽に戻る(なる)のです。
宇宙飛行船テンシもホワイトホールの出口を通って、反物質の月に戻る(なる)のです。
宇宙飛行士人間もホワイトホールの出口を通って、反物質の人間に戻る(なる)のです。
そして、わたし、人間の「想い」である神も、ホワイトホールの出口を通って、反物質の地球の「想い」に戻る(なる)のです。しかし、その時は、あの怪物である人間は、月の生命体として月に住むことになるから、ほっとするでしょう。
ところが、何と、まったく姿、形は同じなのに、みんな性格が正反対になっているのです。
あの性格のきついテンシが微笑しているのです。
そして、あの化け物の人間が、まあ何と、物わかりのいい、テンシ想いの、おしとやかな人間に変わっているのです。
わたしは、自分のことを、人の良い、あほうな神だなあ、とつくづく思うのであります。