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第五章 十七条憲法―4 「四に曰く 群卿百僚、礼を以って本とせよ。其れ民を治むるの本は、要 礼に在り。上なきと きは 下 斉(ととの)わず、下 礼なきときは、以って必ず罪有り。是を以って、 君臣礼有れば、位次乱れず。百姓礼有れば、国家自ら治まる」 役人たちは、礼を根本にしなければならない。元来人民を治める根本は、必ず礼にある。もし上の者が、礼を重んじなかったならば、下の人民もこれにならって、社会の秩序が保たれない。民衆の間に礼がなかったならば、必ず罪悪が蔓延る。 それ故、君臣、つまり役人や上の者たちと民衆との間に礼が正しく行われておれば、下が上を軽蔑することもなく、従って世の中の秩序も正しく維持されるであろう。また人民の間にも礼が守られていれば、国家は自然に治まるものである。 まさに、この四条は上に立つべき者、国を運営する役人の在るべき姿を示唆していると思います。 その根本に礼を太子は置いています。 あるご老人から、意見を聞かれたことがあります。 ある大企業の役員OBが亡くなられた。たまたま日曜日であったのですが、その葬儀に、現社長は、自社のラグビーの試合を見にいくために欠席をした。それをどう思うかと、そのご老人から聞かれて、わたしは、即座に答えました。 「事情は、ともあれ、論外であります。その会社は、もともと上の者、つまり目(年)上の人に対する礼をまったく持たない悪い風土を持っており、その社長は特に、退任したOBに対してまったく礼を持っていない人物です。自分を社長にしてくれた現相談役に対して、自分の部下に"もう、あの人には何の力もない"と平然と言う方です。 以前、その方が専務の時代に言った言葉を思いだします。"わたしの役目は会長(その相談役の方のことですが)の花道をつくることで、それができたら一緒に退きます" とわたしに言っておられた。」 また。わたしは、こうも言いました 「昔、ある現役の役員が癌で亡くなられた。その役員を、当時会長だった、その相談役は非常にかわいがっておられ、社葬をされた。ところが、そんな例は過去に一度もない。現役の役員が亡くなられても、個人の葬儀だけで済ましてしまう。普通一般的にはそうでしょう。ところがその相談役は公私混同も甚だしいところがあって、気に入った役員なら社葬までする。本来なら社長、会長とやってこられた方だから、亡くなられたら社葬になるはずでしょうが、このままでは、それもおぼつかない。多分因果応報の真理からしたら、その相談役の末路は哀れなものになるでしょう。それがあの会社の風土です。」 六十を超えた、社会的には偉い人間が、こんな根本的なことも出来ていない。 これが、今の日本です。 若い人たちのことを、とやかく言う資格はないと思うのです。 礼というものを、今、この日本で一番最初に取り戻さなければならないのが、人口の約半数を占める、大企業サラリーマン諸氏ではないでしょうか。 |