
| 赤坂での出逢い |
| 先輩の誘い |
| 初めてのデート |
| 雨の山下公園 |
| 表参道の教会 |
| 一通の手紙 |
| 彼女の返事 |
| 二年後の再会 |
| 最後の手紙 |
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はじめに この物語は、青春の真っ只中で、如何に悔いのない青春を生き切るかを綴った、ある短い話であります。 清純な若いひとりの女性の本当の優しさと、幼い中にも真実の誠意を貫く青年との歓喜の出逢いと哀しいまでの別離を、リアル且つ美しく表現したくて、先に何篇かの詩を綴ってはいたのですが、どうしても小説にしたくて書き始めることにしました。 従って、作品の各章ごとに先に綴った詩を挿入しようと思います。 恋愛というには、あまりにも淡い薄紅色の出来事でありますが、それで良かったのかも知れません。 ただ、もう少し濃い色に出来るのではないかとも思うのは、やはり美しい思い出がもたらす未練というものでしょうか。 しかし、中途半端な若者には中途半端な青春しか経験することができない本質からして、この物語の二人は、未練を残すゆえに、これこそ青春だったと胸を張って言えるのではないでしょうか。 青春とはいつか捨てるものであるなら、思いきり青春を体験して、そして出来るだけ早く捨てるべきでしょう。 青春とは永遠に持続できるものなら、余計、中途半端な青春は早く捨てるべきでしょう。 青春を謳歌している人間は残念ながら極めて少ないのが現代世相ではないかと思います。ましてや、物に執着し過ぎる現代若者においては皆無と言わざるを得ないと断言するのは、ちょっと言い過ぎでしょうか。 それだけに余計、この短い物語の中にも、青春とはかくも燦然と輝くことができるのだ、ということを表現したいと思うのであります。 それとバーゼルという場所が、この作品を書かせる気分にしたように思えてなりません。 平成十四年五月二十五日(バーゼルにて) 新 田 論 あとがき この物語が実話かフィクションかは、読者のみなさんの判断に委ねるのが一番良いかと思います。 読者のみなさんにも、それぞれの青春があったはずであり、いまもなお青春を謳歌されているかも知れません。 この物語が、みなさんの青春を少しでも色鮮やかに映し出してくれればと願って書きました。 執筆活動に入って二年半近くになりますが、日々過去のことが走馬灯のように思い出されます。 しかも、美しい思い出ばかりが浮かんできます。 もちろん、人生の中には嫌な思い出もあるでしょう。 しかし今のわたしには、美しい思い出しか浮かんで来ないのです。 バーゼルという場所が、わたしを今なお青春の真っ只中に置いているからだと思います。 自分の想いを活字にぶつけることで、心が浄化されているからではないでしょうか。 ベストセラーを望むのは、芸術家ではなく、ただの物書きであります。 自分の体の中からほとばしる想いを表現する、それが芸術家であり、本当の作家ではないでしょうか。 平成十四年六月二日(バーゼルにて) 新 田 論 |