第百六十九話 間違った人間の存在理由

知性を持つということは、意識して生きるということに外ならない。
知性を持たないということは、無意識で生きるということに外ならない。
意識して生きるということは、死を意識して生きるということに外ならない。
無意識で生きるということは、死を意識しないで生きるということに外ならない。
わたしたち人間と他の生きものの決定的な違いはこの点にあります。
わたしたち人間が生きものの頂点に立っている理由はこの点にあります。
自然の食物連鎖の法則のトップに人類という動物が君臨している理由はこの点にあります。
ところが、
知性を持たず、死を意識しないで生きる他の生きものの一生には、悩みや四苦八苦、挙句の果ての、死の恐怖はない。
知性を持ち、死を意識して生きる人間の一生には、悩みや四苦八苦、挙句の果ての、死の恐怖がある。
しかも、
知性を持ち、死を意識して生きる人間が、知性を持たず、死を意識しないで生きる他の生きものの上に君臨している。
この関係は絶対に道理に合わない。
どこかに道理に合わない点がある。
それが、人間の存在理由における間違った点であります。
知性を持つということは、意識して生きるということに外ならない。
意識して生きるということは、死を意識して生きるということに外ならない。
つまり、
人間の存在理由とは、意識して生きることに外ならない。
つまり、
人間の存在理由における間違った点とは、死を意識しないで生きている点に外ならない。
あなたは、死を意識して生きていますか?
それなら、あなたは人間です。
従って、あなたの一生には、悩みや四苦八苦、挙句の果ての、死の恐怖はない。
それが、人間の存在理由です。
あなたは、死を意識せず生きていますか?
それなら、あなたは間違った人間です。
従って、あなたの一生には、悩みや四苦八苦、挙句の果ての、死の恐怖がある。
それが、間違った人間の存在理由です。