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第四百九話 二十世紀の冷戦の正体 自然社会における結婚とは、子孫保存(種の保存)に尽きます。 人間社会における結婚とは、子孫保存(種の保存)も然る事ながら、共同生活意識や恋愛感情が加わり、寧ろ、文明社会が進めば進むほど共同生活意識や恋愛感情を主体にした結婚になって、子孫保存(種の保存)は副次的になった。 更に、文明が進むに連れて、共同生活意識が強烈になって、恋愛感情は副次的になった。 ソ連とアメリカが最も文明の進んだ国の代表で、ソ連の共同生活意識の強烈さの背景には「共同生活(ゲマインシャフト)」の精神があったのに対して、アメリカの共同生活意識の強烈さの背景には「利益社会(ゲゼルシャフト)」の精神があったのです。 二十世紀の冷戦は、共産・社会主義(啓蒙主義)と資本主義(自由主義)というイデオロギーの対決であり、その背景には合理主義哲学と経験主義哲学が厳然と潜んでいたことは何度もお話しました。 「共同生活(ゲマインシャフト)」と「利益社会(ゲゼルシャフト)」の対決が真の冷戦であったはずなのに、合理主義哲学を背景にした共産・社会主義(啓蒙主義)と経験主義哲学を背景にした資本主義(自由主義)という、まさに、イデオロギーの対決というニセモノの冷戦に歪曲されてしまった。 では、 一体誰がニセモノの冷戦に歪曲したのでしょうか。 その正体は、共産主義と社会主義を同一視させた連中です。 共産主義の生みの親は、「マルクス・レーニン主義」、つまり、「資本論」を書いたカール・マルクスとロシア革命の指導者ウラジミール・レーニン(本名ニコライ・レーニン)です。 「資本論」を著したマルクスは、後年、「共産主義の根底にあるのは共同生活(ゲマインシャフト)であるのに対して、社会主義の根底にあるのは、資本主義の根底にある利益社会(ゲゼルシャフト)と同じであり、資本家(ブルジョアジー)が利益を生む主体とする資本主義に対し、労働者(プロレタリアート)が利益を生む主体とする社会主義との違いだけで、共同生活(ゲマインシャフト)を根底にした共産主義とは、寧ろ、相反するものだった」と自己の間違いを吐露しているのです。 ところが、冷戦が終わった現在でも、この間違いを公に指摘する者がいないから、未だに、共産・社会主義を謳った共産党が存在しているのです。 共産・社会主義の盟主ソ連が消滅したのに、ロシア共産党や中国共産党が未だに支配しているが、嘗てのソ連が主張していた共産主義は忘却の彼方で、彼らのやっていることは、資本主義国家と何ら変わりません。 つまり、 現在のロシアも中国も実体は資本主義国家なのです。 言い換えれば、 現在のロシア(共産党)も中国(共産党)もアメリカと同じ利益社会(ゲゼルシャフト)に外ならないのです。 ソ連がアメリカに冷戦で敗北した真の理由は、ソ連の共産主義と社会主義を同一視した錯覚にあったのです。 二十世紀の冷戦がニセモノの冷戦であった理由は錯覚の冷戦にあったのです。 従って、 二十一世紀には真の冷戦がやってきます。 それが、「オス社会(利益社会(ゲゼルシャフト))」と「メス社会(共同生活(ゲマインシャフト))」の対決なのです。 |