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第八章 倭健命の出番 国務大臣が清水高史総理大臣から指名され、今までの役人による行政から、いよいよ政治家主導の行政がスタートした。 公僕としての役人の仕事には、高級官僚など必要ない。下積みのノンキャリャーの役人で十分こと足りる。彼らは国民の審判を受けることがないので落ち着いて公僕の仕事ができる。やはり、日本国家をここまで駄目にしたのは高級官僚の存在だったことが明白になって来た。 次官、官房長、局長、参事官など今まで、高級官僚のためのポストであったが、ノンキャリャーからの昇格ポストにして、これら重要ポストになると、国民による信任投票という関所を通らなければならなくなる。総理大臣を含めて大臣や行政の上級ポストは、常に国民の監視の目に晒される、実にプレッシャーの強い仕事だ。余程の覚悟がないと、自ら進んでなる職業ではない。 『これこそ、聖職だ』とデビルは思った。 マイヤーから電話がかかってきた。 「デビルさま。清水総理よりのメッセージをお伝えします。日本国憲法の精神に述べられ、かつ最高法規になっている地球の法則を為政者のみならず全国民の胸に焼きつけておく為の機関を設置したいとのことです。そこで憲法の草案者であるデビルさまからその機関の責任者として最適の人物を推薦して欲しいとのことです。どうでしょうか?」 デビルはさすが清水総理だなと感心した。 「まだ若いですが、中国で陰陽五行説を学んできた、あなたもご存知の大岡賢治でどうでしょうか。わたしは破壊の役目ですが、彼には破壊の作業に一切手を染めさせていません。破壊の後には必ず再建という仕事が待っているからで、その為に賢治を育ててきました。どうでしょうか?」 とデビルが言うと、「絶対、そう言われると思っていました。わたしも大賛成です。地球委員会と言う名のようです。 また、総理は政治家、役人の他に聖職者として、教育者、医者、宗教者、報道関係者を指定されました。歴史を振り返ると、権力者に常にへばりついて、既得権で利を得ていたのが、報道関係者以外のこれらの職業に就いていた連中です。 報道関係者は情報化社会が生んだ化け物です。これを常に監視しておかないと、最も危険な連中になる怖れがあるとのことからだそうです。 今までは、行政と司法が、その良心の下に、これら聖職者の監視をしていたが、馴れ合いになってしまって、逆に国民が不満を起こさないよう監視する側に回ってしまっていました。 全般的には、年一回の信任投票がありますが、これら聖職の身にある連中を監視する特別な機関が必要です。検察や警察には任せられない。これも地球委員会と同じように独立した監視機関が絶対必要だとお考えです」 マイヤーは清水総理のメッセージを伝えた。 「我々は迫害の歴史を持った民族だから、人一倍警戒心が強いんです。 人間には性悪説と性善説の両面が必ずありますから、そういう機関が必要でしょうね」 更に、自分の意見としてマイヤーは強調した。 「さしずめ聖職者監視委員会ですね」とデビルが言ったら、 「その通りの名前だそうです。いい委員長はおられますか?」 デビルはエンジェルジュニアー3の顔が浮かんだ。 「野島金太と言う若手の警察官僚経験の熱血漢がいます。彼を推薦します」 デビルは答えた。 『大岡地球委員会委員長と野島聖職者監視委員会委員長か、憲法の精神の背骨にあたる大事な役割だな。彼らなら大丈夫だ』と思ったら、『それでよい。それでよい』と国常立が囁いた。 『うんうん。嬉しいのう。倭健命が、これから活躍してくれるとは』 天御中主が囁いた。 『また、天津神がしゃしゃり出おって。ヤマトは天津神の流れを汲んでいるとはいえ、父の天皇に殺されたようなものじゃ。国津神の心情のよく分かる、いい青年じゃ』 国常立がまた怒った。 それを胸で聞きながらデビルは、おかしくて笑った。 『何を笑っておる!』 国常立と天御中主がデビルに言った。 |