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時刻:2023年2月7日(火曜日)午前1時 20年前の、この国のひどい状態のことばかりを、お話していますが、その時代の真只中に生きておられるみなさんは、それほどピンとこられていないのではないでしょうか。 現状をきっちりと把握できる人間の数は、本当に少ないと、お父さんは言っています。 今、2023年ですが、わたしは、2100年まで生きて、この地球に住む人間をはじめとして、すべての生き物を月に運ぶ役目を持っているのです。 月は、わたしの魂の故郷だと、お父さんがいつも言います。 だから、こんな役目を背負っているらしいのです。 地球は月4個分の大きさですから、これだけ多くの人間が住むことができるのですが、月ではそうはいきません。 そこで、月へ移住することの出来る人間を−わたしはみんな連れて行ってあげたいのですが−選択しなければいけないのです。 お父さんに、「どうして、人間全部を月に連れて行ってあげることができないの?」と、わたしが訊くと、しばらく黙っていましたが、何か思い詰めるような感じで、喋り始めたのです。 「それを決めたのは、お父さんではなく冬子が決めたんだよ」 そう言うんです。 「そんな、わたしはみんな連れて行ってあげたいと言っているじゃない!」 わたしは反発したのですが、お父さんは微笑ながら、「そのうちに、冬子がもっと大きくなったらわかるから・・・」と言うだけなのです。 『多分、わたしの胸の中で、よく囁きかけてくるテンシのことを、お父さんは言っているんだろうなあ!』 わたしも、うすうす感じていたので、テンシのことになると、お互いに黙ってしまうのです。 テンシのことになると、お父さんとわたしは、父子に変わりはないのですが、鬼神四郎と冬子の関係では済まされないようです。 デビルとデビの関係になってしまうようで、お互いに変なこだわりがあるのです。 人間を全部月に連れて行けないという話でしたが、2100年迄に、わたしが連れて行ける人と、そうでない人を選ばなければならないのです。 それを考えると憂鬱になります。 『人間の役目が、嫌なことをさせられるのだったら、生きている喜びなんてどこにあるの?』 わたしは、最近そんな想いに襲われることが多くなってきたのです。 そんな風になって、人間は大人になって行くのでしょうか。 悲しい気持ちになります。 今日は、とても憂鬱なので、話はこれでやめます。 すみません。 みなさんの今日の時刻は金曜日なので、冬子の今週の話は、これでおしまいです。 週末を、下らない連中のテレビばかり観ないで、楽しい、充実した時にしてください。 また来週。 |