Chapter 18 時間と力の関係

物理学では、F=mαという公式があります。
FはForceのFで力です。mは重量(質量)、αは加速度を示します。
すなわち力というものは、あるmという重さの物体にαの加速度が懸かる為に必要な推進エネルギーと考えたらいいでしょう。
宇宙空間は真空状態ですから、一旦ある速度で飛び始めたら、永遠に同じ方向に同じ速度で、まったく燃料を必要としないで飛び続けることが出来ます。
あるmという重さのロケットが、更にαの加速度を加えるのにはFの力を持つロケットエンジンの推進力が必要となります。
すなわち力と加速度とは比例しているわけです。力をかければかける程、加速度が増します。
では加速度とは一体どういうものであるのか。
加速度というのは、速度を時間で微分したものであります。
ある一定の速度で走っている物体は、加速度0でありますから、速度を時間で微分する、すなわち細かく刻んでも、等間隔であります。
そこへ力が加わりますと、その間隔が等しくなくなり、それまで走っていた方向に力が加わった場合は、間隔がどんどん大きくなる、つまり速度が増していく。逆の方向に力が加わったら間隔がどんどん小さくなる、つまり速度が落ちていくわけです。
実は、物体が運動するということは、時間を刻んでいることに他ならないのです。
たとえば、太陽系惑星が太陽の周りを一定速度で回っています。
地球なら一周365日と4分の1日の速度で回っている。冥王星なら一周を地球の200倍の長さ、つまり地球での一年を基準にすれば200年かかって一周しているのですが、太陽系惑星が誕生して以来約46億年間ずっと同じ運動をしているのです。それぞれの星が回転することによって生じる引力がバランスをとれているから、同じ運動を繰り返すことが出来ているわけです。
時間の刻み、つまり時というのは、新しい力が加わっていない時は、やはり慣性の法則に従って等間隔の刻みをしているのですが、新しい力が加わると、間隔が大きくなったり小さくなったりする。
従い、逆に言えば、力というものは、時間が変化した時に初めて生じるものであるとも言えます。
普通、我々の存在している世界では、時間は等間隔ですから、新しい力は加わっておりませんが、それは地球が誕生して以来、重力加速度g(=9.8m/秒・秒=980dyne)に、地球の質量m(=5.972×1021トン)を掛け合わせた重力(引力)Gが常に加わっている状態で一定しているからです。
ところが、地球に新しい力が加わり何らかの変化が起きる、たとえば太陽の引力が変化して、地球に更なる引力がかかりますと、地球の公転速度が増し、地球の重力も変化します。そうしますと今までの時間の間隔に変化が生じるわけです。
F=mαというのは、そういうことを示しておるのです。
従い、時間の変化が力を生む原点である、力が生じると時間の変化が起こるのが時間と力の関係であることを忘れないでください。
この関係は、普段の我々の生活の中にも厳然と存在しているのであります。
日常、まったく変化のない生活つまり規則正しい生活をするのが基本でありますが、ある異変が起きると生活のリズムが変わります。そして病気になったり、悩みを持ったりします。
これも時間と力の関係に変化が生じたからなのです。
大事なことは、地球が太陽の周りを一定間隔で常に回っているように、我々も毎日規則正しい生活をしなければならないのです。