Chapter 27 一日・一年は一回帰

地球が一回自転すると一日、一回公転すると一年が経過するのですが、この自転・公転に如何なる意味があるのでしょうか。
一つは、宇宙に存在する無数の星はみんな回転運動しているわけですから、自分も回転しながら全体も回転していることが基本なので自転・公転があるのです。
もう一つは、回転するということはそこに遠心力(求心力)が生じるので、前述しましたように、力が加わると運動方程式F=mαに従って、αという加速度が生じる。
加速度が生じるということは、速度に変化が生じるわけですから、それぞれ回転運動している星に速度の違いが生まれ、時間の違いが生じる。
ここのところが非常に重要なところですから、充分に理解して頂きたいのですが、宇宙に存在するものがすべて静止していたら、時間というものは無いのです。
動く(回転する)ということは、力が加わるからであって、力が加わると、それまで動いていた速度に変化が生じる(加速度がつく)。そしてその速度の変化は質量mに比例するから、重いものほどそれだけ速度の変化が大きいわけです。
重い星ほど回転速度が速くなる理由がここにあります。
そしてどんどん回転速度が速くなるにつれて、ますます大きな力(重力)が加わって、最後には自分の回転によって生じた力によって押し潰される瞬間がやって来る。
これが星の死なのです。
それまでは、外に向かう力(遠心力)と内に向かう力(求心力=引力・重力)にバランスがとれているのですが、そのバランスが崩れる分岐点−これを事象の地平線と言うのですが−を超えると、内に向かう力だけになってしまう。この時の速度が光の速度であるわけです。
アインシュタインが光の速度を超えるものは無いと言ったのはこのことであります。
E=mc2という相対性理論の原点であるこの方程式は、エネルギー−つまりある物質が動くための原動力−はmという重さの場合、最大でc(光の速度)の2乗である。すなわち光の速度を超えることは出来ないと言っているのです。
それ以上になると、星は死んでしまうのです。
ブラックホールは死に至る段階に入った星のことを言うわけで、ブラックホールが持っている求心力(重力=引力)は、光の速度を超える加速度を生むほどの大きな力なのです。
そんな速度で回転しておるのですから、自転速度は想像を絶するもので、我々地球の自転=一日、公転=一年という感覚とは全く違う世界になってしまい、人間の寿命の八十年ぐらいは、あっという間に過ぎてしまうのです−逆に言えば、光の速度で飛べば時間の進みがゼロの状態になって時間の意味がなくなる。そしてすべての物理的法則が適応できなくなる特異点に至って、その向こうは神の領域の世界になる−。
しかし、ここで大事なことは、いくら速度が速くなっても回転運動ですから、必ず元のところに戻って来る(回帰する)ということであります。
朝があって夜があってまた再び朝に戻る。
春夏秋冬を繰り返すのです。
回帰とは繰り返すことであり、いくら回転速度が速くなっても、どこかへ行ってしまうことは無く、必ず回帰(戻って)するのです。
宇宙の果ての向こうには何があるか。それを解決してくれるのが回帰運動(繰り返し運動)であるのです。
この真理は、我々人間の世界でも歴然と存在しておることを忘れないで欲しいのです。
すべての事象は、始まった処に必ず戻ってくる、回帰する。
一日、一年の時間感覚は、星によって違うが、必ず回帰する。
このことをしっかりと認識しておいて欲しいと思います。