|
Chapter 33 RealとImaginary 我々は、夜になると眠り、肉体の活動を休め、朝になると眠りから醒めて、肉体の活動を開始する日々を約3万回繰り返して一生を終わります。 つまり、二つのシフトの生活パターンをそれぞれ3万回繰り返すのが人生であるわけです。 そして肉体を活動させているシフトの方をReal(リアル)だと思っているわけです。 睡眠を取っているシフトは、あくまでサブであって、肉体の活動の合間の休養期間だと思っているのです。 しかし、一日24時間の内、三分の一は眠っているのですから、一生を通じたら、1万日は眠っていることになります。 肉体が活動している時間だけがリアルな時だとするならば、この1万日は、余りにも無駄だとは思われないでしょうか。 そして、睡眠のメカニズムでは、1時間半がサイクルで、その三分の二つまり1時間が体を休める熟睡、三分の一の30分が夢を見ている時であるようです。 このメカニズムは生理学的見地からの考え方であるのですが、わたしは全く違った見方をしています。 確かに、REM睡眠と言って、1時間半の睡眠サイクルの中で、その内30分が夢を見ているREM睡眠という分析は正しいと思います。 それなら一生を通じたら、3千日間が夢を見ている時間だということになるわけですが、3千日間と言えば、およそ8年間ずっと夢を見続けていることになるのです。 その夢が、現実とは全く関係のない幻想、虚構の世界であるとするならば、一体何の為にあるのでしょうか。 生理学的には、熟睡が肉体を回復させ、夢が精神を休める目的があると言われています。 しかし、みなさんも経験が、おありだと思いますが、夜、寝づらい時や、昼間に眠気に襲われて、ウトウトされた時にも夢を見ておられるでしょう。 さきほど申しました、生理学上の眠りのメカニズムでは、最初に1時間熟睡という深い眠りがあって、その後REM睡眠という夢を見る浅い睡眠が来て1サイクルが完了し、また深い熟睡に落ちていく、といった繰り返しをするようです。 それなら、ウトウトしたほんの数分の眠りの中で、どうして夢を見るのでしょうか。 実は、REM睡眠の時だけ夢を見ているのではなく、熟睡の時も夢を見ているのです。 睡眠のメカニズムは、熟睡の後、REM睡眠、そして再び熟睡、REM睡眠と繰り返しているのですが、夢はやはり四六時中見ているのです。 ウトウト眠りに入っている時は、熟睡状態なのです。しかし夢を見ている。 厳密に言えば、熟睡状態でありながら、夢をはっきりと見られるREM状態であるのです。 REMとはRapid Eye Movementの略ですが、夢を見ているから、目が速く動いているわけではなく、夢をはっきりと見ることができるから目が速く動いているのです。 夜空に月がはっきりと出ていると、月を見ます。 昼間に太陽の光で消されている月を、あなたは見に行こうと探すでしょうか。 熟睡の時は、肉体を休めることに意識が強く働くことで、夢に対する意識が希薄になって、夢を見ようとしていないからREM睡眠にならないのです。 熟睡と醒めた状態とは、肉体への意識の強い状態であり、肉体という個体への意識が強いいわゆる個別意識が強くなります。 一方、REM睡眠とは精神への意識の強い状態であり、精神への意識の強い状態とは、個別意識と逆に全体意識(宇宙意識)との一体感が強い状態であるのです。 従って、夜空に月や星を見る時の宇宙との一体感と同じ状態になっているから、四六時中見て−在ると言った方が適切ですが−いる夢−実はこちらの方が圧倒的にリアルな世界であるのですが−が、よりはっきりと見ることができ、そのはっきりした情景を目で追いかけているから、目が速く動いているのです。 結局の処、我々がRealだと思っている世界が、単なるImaginary(想像上)の世界であり、Imaginaryと思っていた世界が、実はRealな世界であるのではないでしょうか。 そして宇宙全体の意識の世界は、虚時間の時空の世界であるのです。 |