Chapter 49 新しい人間復活の時代

今まで、時間というものを、時空宇宙全体の中の時間という概念で、概ね話して参りました。
それは、時間というものを、より良く理解して頂くために必要かと考え、読者の方々にとって非常に難解であろうかと思いながらも仕方なく、お話してきました。
どこかのChapterで申しましたように、この本は天文学や物理学の専門書ではありません。
人知を超えたものを、少しずつでも理解していくことで、人知の世界に編入していくことが、生き物の中で最も進化している人間の責任であると思い、出来得る限り科学的客観性で以って未知の世界と慎重に遭遇していくためであります。
21世紀は、もはや宗教的概念では納得できないほど人間は進化していくものと思われます。
特に、ミクロの世界とマクロの世界との融合が、新たなる事実をどんどん明らかにしていくに違いないでしょう。
20世紀は、マクロの世界を解明する代表がアインシュタインの相対論であり、ミクロの世界を解明する代表が量子論でありました。
ある程度、この二つの理論が統一された理論が20世紀末までに成立したと言っていいでしょう。
しかし、それはまだ緒に就いたばかりで、21世紀に入って、いよいよバイオテクノロジーの発展が見こまれる時代に入ってきました。
このバイオテクノロジーは、小宇宙と呼ばれる人間の体の未知の部分をダイナミックに解き明かしてくれるでしょう。
我々の銀河宇宙が誕生して50億年、地球を含む太陽系惑星群が誕生して46億年、地球上に生命体が誕生して36億年、これらの記憶がすべて、人間の細胞の中にある約30億のDNAの中にきっちりと整理されて配列されているのです。
21世紀は、相対論と量子論に、バイオテクノロジーが加わって、小宇宙である人間の詳細なる解明と、宇宙の解明とが平行して為されていくことでしょう。
そしてその中でも、主役を果たすのは、やはり時間ではないかと思うのであります。
遺伝子情報の解明が、バイオテクノロジーの最先端を切って行われていますが、ここでも遺伝子の配列構造に深く関わっているのが、時間との問題であります。
特に、人間の体に、時間がどのように影響を与えているか、漠然と感じていたものが、もっと明確にされていくでしょう。
そこから、従来の哲学、宗教と言った、いわゆる形而上学的問題に、形而下学的アプローチが為される時代がやって来る。
そして常識がどんどん覆されていく。
まさに新しい人間復活の時代がやって来ると思います。