|
Chapter 20 虚時間は手招きする 人間なら誰でもインスピレーションが湧く時があります。 インスピレーションが湧く人間か、湧かない人間かの違いはありません。 インスピレーションが湧き出す、蛇口を開いているか、閉まっているのか、しかも錆びついて、開けるにもなかなか簡単には開けられない状態になっているのか、この違いだけであります。 蛇口さえ開ければ、湧き出てくるインスピレーションを供給して運んでいるパイプは共有パイプであるのです。 そして、その水源池はどこにあるかと言いますと、高い山の上にあるのです。 水源池は高い山の上になければ自然に流れ落ちてくれません。 そこで、大事なことは、高い山の上にある水源池からパイプを通して、自分の蛇口に繋がっていることを、確かめて確信することが、まず必要だと言うことです。 そうすれば、たとえ錆びついた蛇口でも、必死になって蛇口を開けようとします。 ところが、問題なのは、蛇口は見えるが、パイプは土中に埋設されているから見えない点であります。 それから、そのパイプが山の下まで来ると、その頂上まで上って行っているのが、また見えない。 だから、当然水源池の存在も見えない。 そこで、まず土中にあるパイプの管路図を見つけ出し、それを読み取れる能力を修得する必要があります。 管路図を解読出来れば、次に水源池のある山まで行く道を探すことです。 そして最後に、水源池のある山の頂上まで上る体力が要ります。 実は、その管路図は、あなたの蛇口の下に、土中から出てきているパイプとの間にあるメーター計が、その管路図であるのです。 だから、すぐにその気にさえなれば、管路図は見ることができます。 では具体的に、あなたはどうすればいいのか。 まず、あなたは蛇口に注目していないから、蛇口の存在すらわかっていない点にあります。 蛇口に注目すれば、そこにあるのだから、すぐに見つかる。 「注目する」、これが第一のキーワードです。 注目することが出来たら、すぐにどこにあるかがわかったわけですから、蛇口の下の管路図のメーターを見つけることが次の作業です。 これは、第一の注目の作業よりも、ずっと簡単です。 蛇口の下を見下ろせば、すぐに見つかります。 第二のキーワードは「見下ろす」です。 その次はちょっと困難ですが、見つけたメーターの中にある管路図を解読出来なければなりません。 解読する、つまりコーディングが必要です。 第三のキーワードは「コーディング」です。 管路図を解読できて、パイプがどの山にまで通っているかがわかると、今度は、頂上を目指して山登りです。 第四のキーワードは「見上げる」です。 そして、その山の頂上まで登りつめる。 第五のキーワードは「登りつめる」です。 第一は「注目する」 第二は「見下ろす」 第三は「コーディング」 第四は「見上げる」 第五は「登りつめる」 これは、一体何を示唆しているのでしょうか。 我々がいわゆる時間と認識している水平線的方向の時間の今、ここ(Now & Here)から垂直方向に、自分の姿勢を90度旋回し、まず足下がNow & Hereであることを確かめ、それから垂直方向に視点を置くことです。 これこそ、虚時間の世界に自分の身を置くことであります。 第一のキーワード「注目する」、第二のキーワード「見下ろす」は虚時間世界へ身を置くこと。 そうしますと、第三のキーワード「コーディング」する方法ですが、自分の目線の方向が左右から上下になりますから、旗がハタハタとはためくように、上の方で、「コーディング」の旗がはためいているのが見えてきます。 まるで、虚時間があなたに手招きしているように、旗がはためいてくれています。 この瞬間が、悟りの一瞥であるのです。 最愛の異性を抱擁した時、あなたは虚時間の中で、時間の旗がはためいて手招きしているのが見えるでしょう。 そうしたら、いよいよ見上げて、山登りという力仕事です。 これは、景色が良くて、まるで森林浴をしているような快感であります。 そして登りつめたら、水源池が目の前にぱっと広がって見えます。 その時、あなたは悟りの一瞥から、至福の境地に入ったのです。 |