Chapter 28 朝と夕方

昼が活動の期間、夜が静止の期間で、朝と夕方が活動から静止、静止から活動へギヤーシフトする為のニュートラルな期間だとお話しました。
「心の旅の案内書」でも、このニュートラルなポイントが極めて大事だと、いろいろな例をあげて説明しました。
吸う、吐くという一生涯休みなく続けている息も、吸うから吐く、吐くから吸う、というギヤーシフトの間に瞬間的ニュートラルポイントがあり、そこに悟りの一瞥を見出すことが出来ると申しました。
セックスのオルガスムの瞬間も、同質のニュートラルポイントで、やはり悟りの一瞥を見出す絶好の機会であるとも申しました。
悟りの一瞥とは、そんな大袈裟なものではなく、あなたが、「しあわせだなあ!」と感じるのが一瞥であるように、悟りの一瞥とは、「しあわせだなあ!」の感覚がもっと輝いている状態であるのです。それを至福という言葉で表してもいいですが、実際には表現し難い境地だと言っていいでしょう。
実は、そういう境地になれる機会は一日の中でもあるのです。
それが朝と夕方なのです。
昼間という活動パターンから夜という静止パターンにギヤーシフトする為には、車のミッションのギヤーシフトと同じで、必ず夕方というニュートラルポイントを通り過ぎないと行けないのです。
夜という静止パターンから昼という活動パターンにギヤーシフトする為には、必ず朝というニュートラルポイントを通り過ぎないと行けないのです。
朝の1時間半、夕方の1時間半、この間がニュートラルポイントなのです。
この一日24時間の内の3時間があなたの人生を大きく左右する重要な時間であることを認識して頂きたいと思います。
人間は自己の潜在能力のうちの20%も発揮出来ずに生きています。残りの80%は眠っています。
眠っている80%の潜在能力に最も接近することの出来るのが、このニュートラルポイントであります。
潜在能力をフルに発揮出来ないのは、自我(エゴ)という名の巧妙な欲望が邪魔をしているのですが、その自我が逆に眠っているのが、このニュートラルポイントの時であります。
朝、太陽が顔を出し始めます。
夕方、太陽が顔を隠し始めます。
太陽の重力変化が起きるポイントが朝と夕方であります。
その時が、自我が困惑する絶好の機会であるのです。
自我の本質は"継続して"動く、変化する、ことです。
この俗世は、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」の如く、すべては移ろう無常の世でありまして、その根源は自我なのです。
自我が休息している唯一の機会が、このニュートラルポイントです。
朝と夕方の3時間、あなたは何をしているでしょうか。
この時間だけは、自分だけの世界に浸れる唯一のチャンスです。
そんな大事な時に、つまらない残業をしたり、惰眠を貪っているのではありませんか。
それよりも、もっと大切なのは、日々、朝な夕なに、自分だけの世界に禅定する習慣をつけることです。
そうしますと、太陽が昇る、太陽が沈む、この雄大な光景があなたのイメージの中に徐々に焼きついていきます。
その焼きつきが重なって一年が365.25日であることが体感出来るようになるのです。