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一期一会 四十三の日 人間関係というものは実に複雑怪奇なものであります。 人生において、真の友といえるのが2、3人できれば上出来であると、昔、大学の先輩から言われたことがありましたが、本当にその通りだと最近思うようになってきました。 どうして、昨日まで親しくしていた人間が、今日にはお互いに、悪口雑言を吐き合う関係になるのか、実に悲しい生き物であります。 いま日本はペットブームのようですが、動物は裏切らない安心感があることも、その理由のひとつでしょうか。 わたしの現在の心境は、老荘思想に近いものであることは、間違いありません。 思想と言わずに敢えて心境と申しましたのも、思想と言った大袈裟なものではなく、日常生活の心構えが、その人間の人生のバックボーンになるものだと思っているからですが、とにかく拝金主義が蔓延しているこの世では、目立つ場所に身をおくと、必ず災厄が襲ってくる。 それは、人間全般にお金の臭いに敏感になっているのが拝金主義の世の中の特徴でありますから、目立つ処にお金が集まって来る。 そこに臭いを嗅ぎつけた多くの人間がワッと寄って来る訳ですから、結局の処はお金目当ての功利的な人間ばかりが集まって来る。 意識上では、お金目当てではなくても、詰まる処は、そこに辿り着く訳です。 芸能人のような方々は、いつも人の目に晒される立場におられるので、それは大変な職業だと思います。 回りには、その方の真実の姿を知りもしない連中が、何か良いことがあるかも知れないと、蟻の如く寄ってくる。 『わたしは、こんな有名な人と知り合いです』 これだけを目的で寄ってくるのですから、その人間性に尊敬してのもので無く、飽くまで自己顕示欲が裏に潜んでいる方々ばかりですから、必ずいつかは馬脚を現わし、揉めごとに発展する種を持っているのです。 そんな経験を何度かいたしますと、目立つことが如何に危険なことであるか、痛感するわけです。 人生は危険なもの。 こう言うわたしですが、こんな危険はやはり避けたいものです。 自分を高めてくれる危険は、享受する心構えを持っているつもりですが、このような人為的かつ功利的な発想から生じる危険なことは、逆に絶対に避けるべきであります。 悪い心の持ち主になってしまいます。 世の中を、潤いのある、ほんのりしたものにする為には、お互いが目立つことに腐心する人間より、目立たないことに腐心する人間が少しでも多くなることを望んで止まない、今のわたしの心境であります。 |