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一期一会 四十八の日 重厚長大から軽薄短小の時代に入ったのは、最も先進しているアメリカでは、既に四半世紀以上も前のことであり、我が日本においても、1985年のニューヨークでのG7によるプラザ合意で1ドル250円を130円まで円高にする容認をした時点から始まったと考えられます。 この時に、アメリカは中国へのアプローチを始めた訳で、今日の中国の経済発展の基盤は創られたのです。 すなわち、製造業は先進世界から開発途上国へ移転する流れが始まった訳です。 アメリカやヨーロッパは、その時点で、ハード産業よりソフト産業の比率が上まわっておったのです。 わたしが勤めておった会社で、毎朝、誰かがみんなの前で話をする習慣がありまして、その時に、欧米先進諸国のソフト産業比率は50%を超えているのに、日本はまだ10%台であることを指摘したことがありました。 世界経済のパラダイムは、既に変わっていた。 大企業での大量生産による生産効率化で利益を上げる時代は終焉しておったのです。 わたしは、その頃を思いだして感じることは、大企業の人材、特に幹部経営者の質が底をついたのが、この時期であったのです。 それ以来、大企業のトップマネージメントになる人材は、短絡的発想しか出来ないようになってしまった。長期的発想をする人材は窓際に追いやられ、短期的発想の人材ばかりが重要なポストに就くようになってしまったのであります。 財界においても、その傾向は顕著に出てきたのです。 土光さんのような財界人はいなくなり、目先の利く人間ばかりが世間の表舞台で脚光を浴びるようになってきました。 松下幸之助さんは、一生財界活動をされずに事業経営に徹してきた。 トヨタの豊田一族も事業に徹してきたから、日本一の企業になれた。 日産のトップが財界活動にうつつを抜かし、労働組合と経営者との癒着関係で企業体質が低下していったことに、今の日産になってしまった原因があるのです。 そのトヨタも財界活動に入った時点で、わたしは、将来のトヨタの姿が見えたのです。 現在でもトヨタは世界の超一流の企業であり、その収益性はGMやフォードを凌ぐものであります。 しかし、トヨタのピークは間違いなく過ぎたと断言出来るでしょう。 あの松下でさえ、この体たらくであります。 10年前に、誰が予想し得たでしょうか。 しかし、既に10年前に、こうなる原因は潜んでおったのです。 その最大の原因は、経営者の質の低下であり、彼らの短期的発想であったのです。 今また、短期的発想から、リストラの嵐が日本に吹いているのですが、リストラをする度に、企業の体質は確実に低下しているのです。 リストラをすればするほど、必要な人材は去って行き、不要な無能な人材ばかりが残る会社になっていくからです。 このことを、経営者の連中は知っておるのです。 会社の質が低下することを、何故経営者はするのでしょうか。 長期的発想をしない経営者であり、当面の収益を上げて、年一回ある株主総会を切り抜けることばかりに腐心しておるからです。 大企業のほとんどのトップが、こんな連中で占められている日本経済が良くなるはずがない。 この傾向は製造業だけではなく、金融、サービス業にまで蔓延しているのが、我が日本の実態であるのです。 結局は、無責任なサラリーマン経営者の大きな罪であります。 かつての立派な経営者の中には、オーナーではなくサラリーマン社長の方もたくさんおられた。 土光さんも、サラリーマンでしたが、何故こんな大企業ばかりになってしまったのでしょうか。 『奢れる者は久しからず』の諺の通り、これも自然の摂理なのかも知れません。 |