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一期一会 未(ひつじ)二十四の日(その一) 本来の 面目坊が 立ち姿 ひとめ見しより 恋とこそなれ 本当の自分を探す旅を、わたしはしてきました。 本当の自分こそが、ここで一休さんが歌っておられる、本来の面目坊であります。 実は、自分の中をじっと見つめていると、本当の自分がいつも立っていてくれて、「おおい!ここにいるんだよ!」と言ってくれているのです。 それなのに、人間は外ばかり見て、「あれ欲しい、これ欲しい」と外界にあるガラクタばかり追い求めている。 ガラクタばかり追い求めていれば、貪欲にもなります。 貪欲さからは、恋心など生まれようがないではありませんか。 この世の夫婦、恋人たちを見ていると、『あれが、恋心を持ったカップルか?』 と思いたくなります。 自分の中で、いつも立って、手を振ってくれている、本当の自分と出会ったら、あなたはすぐに、恋におちるはずです。 だから一休さんは、盲目の森女という美しい恋人がいたのでしょうか。 一期一会 未(ひつじ)二十四の日(その二) わたしが、コロンビア、ヴェネズエラに初めて行ったのは25年前だったと思います。 当時から、極めて治安の悪い国でして、一般の人達の殆どが銃を持っているのです。 ヴェネズエラのカラカスという首都は海抜2000メートルもある高地にあって、海辺のカラカス国際空港から2時間近く山道を走ってカラカスの町に行くのですが、途中に無数のスラム街が山の中腹に見えます。 一度中に入れば迷路です。 かつて、アルジェリアの首都アルジェに行った時に、フランスの名優ジャン・ギャバンが主演した『望郷(ペペルモコ)』の舞台になったカスバというスラム街がありましたが、それと同じか、もっとひどいスラム街でした。 コロンビアの首都ボゴタも、非常に危険な町で、わたしは、その危険な町に、夜一人でよく彷徨したことがあります。 日本人の顔つきとよく似ている彼等は、親しげに話かけてくるのです。 別に遊びに出かけるわけではなくて、一人でホテルのレストランで食事をするのも侘しいので、外に出かけたのです。 そして日本料理屋があると言って案内してくれるうさん臭いお兄ちゃんが、おりまして、危険承知で後をついていくと、とんでもない暴力バーに引っ張り込まれたのです。 そこには、それはそれは美人の国3Cの中に入るコロンビアですから、ものすごい美人が二人いたのです。 ところが、その後ろに、ものすごい髭づらの男が二人立っている。 わたしは、紙幣を二枚出して、それを筒のように巻いて、両手の人指し指に刺しました。 「おい、お前、ハポネか?金を出しな」 髭づらの小さな男が口を開いた途端、わたしは両手の指に刺した紙幣の筒を、思い切り、わたしの胸あたりしかない、その小男の耳に突き刺したのです。 「ギャー」と悲鳴を上げて、小さなバーの中を走り回っておる。 他の連中も呆気にとられて、ぼっと立っているのです。 その瞬間、わたしの中で、何かが囁いているのです。 「デビル、デビル」という声に、まるで必殺仕置き人になったような勇気が湧いてきたのです。 面目坊ではありませんが、本当の自分ほど頼りになるものは無いことを、その時つくづく思いました。 |