一期一会  未(ひつじ)三十二の日(その一)

国いづく 里はいかにと 人とはば
本来無為の ものとこたえよ

本当のあなたとは、何処から来たのか?
ここでは、一休さんは、この問いを、
国いづく 里はいかにと
と言い換えているのです。
逆に考えれば、
本当のあなたとは、何処から来たのか?
と問われれば、
本当のあなたが、あなたの国である。
本当のあなたが、あなたの故郷である。
と答えよ。
と言っておられるのです。
そして、本来のあなたとは、本来無為のものである。
この問いと答えを、倒置することによって当意即妙の真理描写をする。
「真理は語ることができない。語れることは真理ではない」
と老子が言った、真理を伝える一つの秘法であります。
あなたが訊きたいことは、答える。
あなたが答えたいことは、訊ねる。
この秘伝を忘れないでください。
そうすれば、世の中の真理を洞察することができます。
「今、日本国は破綻の道を歩んでいる」
と多くの識者が語っています。
語っていることには真理が潜んでいません。
だから、彼らは語るのです。
彼らが、本当に真理だと確信すれば、彼らは沈黙します。決して本などに書きません。

一期一会  未(ひつじ)三十二の日(その二)

今から10数年前に日本に起こったバブルのことを、思い出してください。
「買えば、必ず上がるのに、どうしてお前は、株を買わないのだ。どうしてお前は、ゴルフ会員権を買わないのだ。どうしてお前はワンルームマンションを買わないのだ。大企業のサラリーマンだったら、銀行はいくらでも貸してくれる」
と、わたしのまわりのサラリーマン連中が舞い上がっていたのを思い出されます。
彼らは、その後地獄を見ました。
また今、同じ現象が起こり始めようとしています。
「円で貯金していたら、とんでもないことになる。ドルかユーロに換えておくべきだ。この国は実質破綻している。経済の解っているものは、どんどん海外へ移住して、この国から逃げようとしている。お前も、早くした方がいい」
日本のあっちこっちで囁かれています。
わたしの推測では、国民の3割はそう思っています。
全体の3割が思い、行動していることは、残りの7割が行動を起こすポテンシャリティーを既に潜在的に持っているのです。
そういたしますと、結果は、全体の7割が行動を起こそうと考えていることと逆の方向に在るのです。
それが真理であります。
バブルの発生と破裂が、それを如実に証明しているではありませんか。
しかし、人間は愚かで、同じ過ちを何度も繰り返すのです。
逆転の発想を忘れないでください。
まず自分よりも全体を考える。
全体の7割の人間が起こす行動はすべて、まず全体よりも自分なのです。
そして7割が、雪崩現象で9割9分になる。
それが自然の逆摂理であります。