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島唄 でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た でいごが咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た くり返す悲しみは 島渡る波のよう ウージの森であなたと出会い ウージの下で千代にさよなら 島唄よ 風に乗り 鳥と共に 海を渡れ 島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の涙 でいごの花も散り さざ波がゆれるだけ ささやかな幸せは うたかたの波の花 ウージの森で歌った友よ ウージの下で八千代の別れ 島唄よ 風に乗り 鳥と共に 海を渡れ 島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を 海よ 宇宙よ 神よ いのちよ このまま永遠に夕凪を 島唄よ 風に乗り 鳥と共に 海を渡れ 島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の涙 島唄よ 風に乗り 鳥と共に 海を渡れ 島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を はじめに わたしは沖縄に行ったことがありません。 しかし、以前から沖縄を舞台にした小説を書きたいと思っていました。 そこへ、『島唄』を聴き、胸の中に大きくイメージが湧いてきたのです。 大きなスクリーンに映る沖縄の海の景色と、大きなスピーカーから聴こえる沖縄の柔らかい風の音が、わたしの胸に飛び込んで来たのです。 これから描く小説のタイトルがすぐに、わたしの指に指令しました。 『風に乗り、鳥と共に』であります。 大きく湧いてくるイメージではありますが、沖縄に行ったことがないわたしには、こまかい情景描写ができません。 イメージを正確にするために、沖縄に行くことにしました。 そして、イメージをしっかりと胸に焼きつけて帰ってきてから、書きはじめることにします。 平成15年6月19日 新 田 論 プロローグ 初夏の那覇に、ひとりの旅人が訪れた。 左手に小さな鞄を持ったその男は那覇空港に降り立った。 椰子の木の枝がさらさらと風になびいてその男に囁いた。 『いらっしゃい、琉球へ。あなたをずっと待っていたの・・・』 沖縄の人にとって、その男がやって来ることは、積年の願いであった。 その男は、なびいた風に、優しく囁いた。 島唄よ 風に乗り 鳥と共に 海を渡れ 島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を 海に向かってなびいた風が、その男に囁いた。 『ありがとう。わたしたちのためにやって来てくれて・・・』 椰子の木にとまっていた一羽の鳥が、その男にさえずった。 『いらっしゃい、琉球へ。わたしたちの願いを叶えて・・・』 右手を振って、その男は鳥に応えて、囁いた。 島唄よ 風に乗り 鳥と共に 海を渡れ 島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を 一羽の鳥は、海に向かって飛びながら、その男にさえずった。 『ありがとう。わたしたちのためにやって来てくれて・・・』 その男は、真っ青な空を見上げて優しく微笑んだ。 『これからが、本当の・・・これからが本当の・・・・・・』 |