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Chapter 304 「心(想い)」の科学的探求 人間の身体は小宇宙だと称せられています。 満天に拡がる大宇宙への旅立ちが21世紀の人類のテーマであることは衆目の一致するところですが、その成否の鍵を握っているのは、小宇宙である、わたしたちの身体への深い理解に掛かっています。 身体ですから、肉体だけでは駄目です。 想いの理解も深めなければなりません。 肉体のメカニズムの更なる探求の旅は、21世紀に入って、より加速されることは間違いありません。 18世紀に始まった産業革命による近代工業化のリーダーは20世紀までに、繊維、鉄に引き続きモータライゼーションまで実現させ、高度情報化社会実現のための旗頭であるコンピュータライゼーションまで行き着くかに見えましたが、1989年の冷戦終結によるインフレ経済からデフレ経済への転換が原因で足踏み状態になっているのが現状であります。 こういった新しいパラダイムの産みの苦しみを経験している中でも、確実に伸びてきたのがバイオ業界でした。 21世紀はバイオテクノロジーの時代だと言われて久しいですが、いよいよその幕は切って下ろされようとしているのです。 それはまさに、小宇宙である人間の肉体への探求の旅の旗艦船がバイオであり薬品業界であると言っても過言でないでしょう。 世界一の企業が自動車会社から薬品会社になる。 日本一の企業が自動車会社から薬品会社になる。 ただ、この流れも「両刃の剣」的要素を孕んでいることを見逃してはなりません。 高度情報化時代の到来を予見して、マスコミ産業の目に余る横暴が社会を堕落と退廃に貶めました。 同じ危険性の芽が、薬品業界にも吹き出しつつあります。 その牽制役を果たすのが、小宇宙である身体のもうひとつである想いの世界−一般的には心の世界−への探求が同時進行することだと考えられるのです。 20世紀までは、心の探求は一部の専門家による哲学の世界と、宗教の世界に任せきりでした。 しかし、その試みは失敗だったと断言できるのは、20世紀に人類の悲劇の歴史を幾度となく繰り返したことで証明されています。 21世紀には旧来の宗教は消滅すると申しましたのも、形而上学つまり哲学や宗教の分野と、形而下学つまり科学の分野を統合した学問が21世紀の新しい学問になるだろうと予測されるからであります。 わたしたち人間の身体である肉体と心(想い)の、バランスが取れた探求の旅に、是非ともしなければなりません。 まかり間違えば、フランケンシュタインの世界が現実になる恐ろしい時代になるかも知れません。 そういう点では、科学者は聖職者であることの自覚が絶対に欠かせないのであります。 宗教者が聖職者であることを忘れたことが、政治家や役人を堕落・腐敗にまみれた職業に誘導し、延いては医者、教育者そして科学者までもが、個人的欲望にまみれてしまった結果、世界規模の戦争、そして原爆の悲劇を生んだ20世紀であったのです。 科学が発達すれば余計に、小宇宙である人間の身体の「心(想い)」の分野の科学的探求が大きな課題になることを忘れてはなりません。 夢の研究が、その大きな柱であると言えるでしょう。 |