Chapter 426 体重

わたしたちの肉体が健康であるかどうかのバロメーターが体重にあるのですが、体重と言うと、外観上の体重と考え勝ちです。
しかし外観上の体重には、「激しい運動」をする上での器官が多く含まれています。
つまり自分の意思で動かしたり止めたりできる随意筋肉の器官です。
一方、自分の意思で動かしたり止めたりできない不随意筋肉の器官が、「普段の運動」を年中無休で死ぬまで続けているものです。
わたしたちが体重と言っているのは、不随意筋肉の器官と随意筋肉の器官を合計したものですが、この二種類の器官のバランスが取れているかどうかが最も大事なのです。
最近では、体重だけではなくて、体脂肪率や体内脂肪率も測定できる体重計があるようですが、厳密に言えば、随意筋肉の器官と、不随意筋肉の器官の体重比率を測定できる体重計が必要なのです。
随意筋肉の器官というと、腕や足など外に現れている器官で、五感もその中に含まれています。
不随意筋肉の器官というと、すべての内臓器官がそうです。
いわゆる五臓六腑と言って、五臓は肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓で、六腑は大腸・小腸・胆・胃・三焦(心臓の下、胃の上の上焦。胃の中の中焦。膀胱の上の下焦。の三つの焦で排泄を司る)・膀胱です。
これらの器官がバランスよく配備されていることを以って適正な体重と言えるのです。
現代医学が病気の上に立っての医学であって、健康の上に立っての医学ではないのは、この分野に対する研究が一向に為されていない点にあります。
肉体上のすべての病気の原因は、これらの器官のバランスが崩れることによって起こるのであって、その兆候が結果的には体重の変化によって表れるのです。
腕の筋肉が痛くなったら異変が起きたと察知しますが、腕の筋肉が太くなったり細くなったりするだけでは異変が起きたとは思いません。
病気の上に立っての医学の所以です。
胃が痛くなったり、心臓の鼓動がおかしくなると異変が起きたと察知しますが、胃が小さくなったり、心臓が大きくなったりすることに、殆ど神経が行っていません。
しかし、急に腕が痛くなったり、胃や心臓が痛くなるのではありません。
その原因は、腕の筋肉の構造変化が原因であり、胃や心臓の構造変化が原因であるのです。
つまり健康と定義できる構造と、異変と定義できる構造の違いを明確にしておくことによって、構造変化を事前に察知できるのです。
健康とはどんな状態であるのか。
医学の最も大事な要件であります。