Chapter 522 自然回帰への第一歩

シェークスピアの「真夏の夜の夢」の中で妖精プックがため息をつきながら言います。
“この人どもはなんと愚かな者たちよ!”
この言葉を引用して、ある指導者が60年前に次のような演説をした。
“偽りと腐敗に塗れる拝金社会は、とりわけ青年の腐敗が鍵となるからして、教育とマスコミを独占しよう。この手段によってわれわれはわれわれにとり有益な思想をひろげ、子供たちの頭脳をわれわれに適するようにつくりあげる。
われわれが自由な存在であるための礎石となるために、教育とマスコミに手を染め、われわれは若者と女どもを騙し、ぼんやりとさせ、堕落させよう。それはわれわれには偽りだとわかっている主義や学説そして風潮−もっともそれを説き広めるのはわれわれだが−で彼らを育てることによってである。
優秀な青年、経験の浅い女たちが、知識を求めてこの有害な学説や風潮を吸収し、彼らの精神と性格がそれによって歪められる。
この拝金主義という学説を、世の知識人とマスコミによって広めさせ、それが風潮となる日は真近い”
現代日本社会の様相をまるで予想したかのような演説が、今から60年近く前に欧米の指導者によって為されていたのです。
60年掛けて為されてきたことを取り消すには、数倍の年月が必要かも知れませんが、まさに『今、ここ』から始めるしか方法はないのであります。
『今、ここ』に立つのは、先ず自分であります。
わたしたちは先ず、『今、ここ』に立ち戻って何をすべきかをよくよく考える必要がある。
『今、ここ』に立ち戻るとは、自己に目覚めること、つまり自覚することであり、何を自覚するかというと、教育やマスコミの喧伝によって洗脳され、判断能力が欠落した、“お金がすべてだ!”という考え方から目が醒めることであります。
わたしたち現代日本人は、まるで麻薬中毒患者のようなもので、家に帰るとすぐにテレビのスィッチをつけて、テレビの雑音の中にいないと、何もできないような腐った脳になってしまっている。
わたしたちが観ているテレビは平面の二次元テレビであり、Chapter511「事実と真実の映像」、Cgapter512「真理の正体」で、二次元平面テレビでは事実の一部しか見えない、三次元立体テレビでしかすべての事実を見ることはできないと申しました。
実は三次元テレビは20年以上前に既に開発されているにも拘らず、世には出てこない。
それは、わたしたち一般大衆に、事実のすべてを見られると都合が悪いからであります。
正面だけから見ると素晴らしいと思えるスターたちのうしろ姿を見たら愕然とするからであります。
この世という二次元平面映像に映し出されていることは、みんな一部の事実だけであります。
ウィルスを殺す薬は、20年以上も前にアメリカで開発されているにも拘らず、一向にわたしたちの前に出てこない結果、現代病の大半であるウィルス性疾患に悩まされ続けるわたしたちは、一体何者扱いされているのでしょうか。
自然に戻るとは、決して人里離れた山の中に篭るのではなくて、他者という映像を通じて、独り生きている自己に催眠術を仕掛けてくる、これら悪魔から自己を守ることであります。
わたしたちひとりひとりが、先ず今までの習慣に決別して、新しい時代の生活スタイルすなわち、『今、ここ』を生き切る習慣を体得することです。
そのはじめとして、テレビを観るという習慣を、『今、ここ』を以って止めることをお薦めします。
テレビを観ない習慣の生活こそ、自然へ回帰する第一歩であります。