Chapter 529 ホームレス現象

高度情報化社会こそ拝金主義社会であり、一般大衆奴隷化社会であります。
近代社会になってからバブル経済が起こるようになり、その反動として恐慌が発生するようになりました。
1929年にニューヨーク株式市場での大暴落がきっかけで世界大恐慌が発生しましたが、産業革命による近代工業化社会の先頭を切っていたイギリスでは、その前にも10年から20年に一度の割合で恐慌は発生していたのです。
近代における最適工業化社会にはバブル経済と恐慌は付きものだったのです。
日本におけるバブル経済は1985年に起こり、1989年に破裂したものが代表的です。
バブルが破裂したあと、日本社会には大量のホームレスが発生しましたが、この現象は日本だけのものではなくて、近代最適工業化社会が生んだ副産物に外ならないのです。
最適工業化社会とは、大量生産によるコストダウンの結果、豊かな物質社会を創ることに外なりません。
近代社会や最適工業化社会とは、人間社会だけに通用する考え方でありますが、地球上に生きている限り、人間といえども自然の食物連鎖の法則から免れることはできません。
物質が豊かでない時代には、モノを大切にする精神が育まれます。
物質が豊かな時代では、モノを大切にする精神がなくなります。
物質が豊かでない時代には、モノを大切にしない人間がルンペンや乞食になりました。
物質が豊かな時代では、モノを大切にする人間がホームレスになります。
あまりにもモノが豊富なため、わたしたちはモノをついつい粗末にして、まだ使用できるモノを残飯のようにして護美箱に捨ててしまう。
自然の食物連鎖の法則がここにも厳然と働いている。
人間が捨てたまだ使用可能なモノを人間に再使用させようとする自然の力が働く結果、大量のホームレスが発生するのです。
護美箱に使用不可能なモノつまりエントロピー化したモノだけが捨てられているなら、残飯を“あさり”に来るホームレスも生きてはゆけないから、ホームレスという人種が増殖しないのです。
まさに自然の食物連鎖の法則です。
つまり拝金主義社会こそがホームレス社会を生む元凶であるのです。
高度情報化社会といえども、自然の食物連鎖の法則が厳然と働いていることを、肝に銘ずべきであります。