Chapter 608 全体からのしっぺ返し

全体と部分の相対性の法則に沿った生き方をする要点は、全体のメカニズムを熟知すること、そして全体及び部分としての自己の立場認識にあると申しました。
地球上で誕生したすべてのものは、地球が全体で自己が部分であることを自覚することが立場認識であります。
従って、わたしたちにとっての全体とは地球であって、太陽でも銀河星雲でも全体宇宙でも絶対宇宙でも、況してや神でもない。
地球にとっての全体は太陽であるが、わたしたちにとっての全体は地球なのです。
地球は46億年前に太陽から分化して生れた。
その時点で地球は部分であると同時に全体になった。
それが全体と部分の相対性の法則であります。
地球を構成する物質が部分であります。
太陽の大半が水素で構成され、一部ヘリウムへと分化していったように、地球も水素からヘリウム、リチウム、ベリリウム、ほう素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ネオン・・・と順々に元素が誕生していく過程で鉱物が誕生した。
更に植物が誕生し、そして36億年前に単細胞生物が生れ、8億年前にやっと有機生命体すなわち動物の祖先が生れた。
その過程の記憶が人間の胎児においても、母親の胎内での十月十日間の間に顕現していることが証であります。
全体とは生みの親に外ならないのであります。
わたしたちの祖先は、両親が二人いて祖父・祖母が四人いて・曾祖父・曾祖母が八人いて・・・十代遡ると1,024人の祖先がいて二十代遡ると1,048,576人の祖先がいて三十代遡ると1,073,741,824人の祖先がいて四十代遡ると1,099,511,627,776人つまり一兆を超える祖先がいることになります。
平成天皇は第126代ですから、平成天皇の祖先の数は天文学的数字になる筈です。
これは何を意味しているかというと、わたしたち人間の祖先は人間の祖先の数だけでは間に合わないわけであって、8億年前の有機生命体であり、36億年前の単細胞生物であり、植物であり鉱物であり地球であったことを示唆しているのであります。
究極の生みの親は地球であり、当面の生みの親が両親であり特に母親であるのです。
自己と母親と母なる大地・地球。
地球上に生きているわたしたちの全体と部分の相対性の法則における立場認識の基本概念であります。
一方、自己の肉体が生れたと同時に運動をはじめると意識が誕生し、五臓六腑と五感そして「想い」が部分として分化し、細胞・分子化合物・原子・素粒子と分化して宇宙誕生の過程に回帰するのです。
現代物理学者たちが素粒子の世界を探求することによって、宇宙生成のメカニズムを解明しようとしている所以です。
人間の身体を小宇宙と呼ぶ所以です。
地球上に生きているわたしたちの全体と部分の相対性の法則における立場認識の基本概念である、自己と母親と地球。
自己という個人にとって一番大事な全体である母親と地球を粗末にしているのが、現代人であるわたしたち人間であります。
母なる大地を粗末にした結果、しっぺ返しを受けているのが科学です。
母親を粗末にした結果、しっぺ返しを受けているのが宗教です。
しっぺ返しを受けた科学と宗教が結託してつくりあげたのが拝金主義なのです。
わたしたちにしっぺ返しを与えた母なる大地・地球と母親に謹んで拝金主義を返上しなければ、更に大きなしっぺ返しを受けることになるのです。