Chapter 697 21世紀は非連続の世紀(III)

支配・被支配二層構造の人間社会は、世襲・相続の差別社会でもありました。
民主主義の現代社会でも世襲・相続の差別構造はますます顕著になってきていることが、民主主義が決して公正な社会でないことの証左であります。
政治家・医者・宗教家といった嘗ては聖職として尊敬を一身に受けていた職業から、歌舞伎役者・茶道・華道といった人から羨ましがられる芸一筋の職業までも世襲・相続が為される本末転倒の現代社会であります。
名門の大学に入れば人生は安泰であるとする学歴社会も、世襲・相続の差別社会の産物であり、東京大学の卒業証書さえ手に入れれば高級官僚になり、延いては日本の支配者階級に入ることができると、塾通いの子供まで信じているのが、現代日本社会であります。
役人の天下りの慣習は、表だって世襲ができない彼らの巧妙な手であるわけです。
役人特に高級官僚間にある一生涯の上下関係は正しく世襲・相続が最適の支配手段であることを物語っています。
支配・被支配二層構造社会と世襲・相続の差別社会とは表裏一体の二元関係にあるのです。
連続形態である宇宙とは有から有の二元関係であり、非連続形態である宇宙とは無から有若しくは有から無の三元関係であるのです。
静止の暗闇と沈黙の絶対宇宙からビッグバンによって運動の光と音(喧噪)の全体宇宙が誕生した際にプラスつまり誕生、マイナスつまり死、ニュートラルつまり生の三つの法則が誕生したように、太陽系惑星群から地球が誕生した際にプラスつまり誕生、マイナスつまり死、ニュートラルつまり生の三つが誕生したから、わたしたち人間のような有機生命体が誕生したのです。
有機生命体が生きている証明である息にも三つの法則が厳然と働いているのです。
わたしたちは息を吸気と呼気の二つだと思っていますが、円運動するには始点と戻ってくる終点の間に円周があるように、吸気と呼気の間に深淵(Abyss)というニュートラル・ポイントがあって、ニュートラル・ポイントを通過せずして吸気も呼気もできないのです。
吸気・ニュートラル・ポイント・呼気の三つの法則が働いており、ニュートラル・ポイントこそが円周という生であるのです。
わたしたちは吸気でもない、呼気でもない、吸気と呼気の間のニュートラル・ポイントがあって生きることができているのです。
吸気と呼気の間に非連続の深淵(Abyss)があってはじめて生が可能なわけです。
有から有の連続形態の宇宙だけでは、全宇宙を創造することができないのです。
はじめに無から有の非連続形態の三元関係つまり始点があって、有から有の連続形態の二元関係つまり円周があって、最後に有から無の非連続形態の三元関係で円回帰運動を終えるのです。
わたしたち人類の祖先と新人との間にも、新人とホモサピエンスの間にも、ホモサピエンスと原人との間にも、原人と霊長類との間にも、霊長類と猿類との間にも、猿類と哺乳類との間にも、哺乳類と爬虫類との間にも、爬虫類と両生類との間にも、両生類と魚類との間にも、魚類と多細胞生命体との間にも、多細胞生命体と単細胞生命体との間にも非連続形態の三元関係がなければ、わたしたちの存在は在り得ないのであり、動物と植物との間にも、植物と鉱物との間にも、鉱物と分子の間にも、分子と原子の間にも、原子と原子核の間にも、原子核と素粒子の間にも非連続形態の三元関係がなければ、わたしたちの存在は在り得ないのです。
自分には二人の両親がいて、両親にも二人の両親がいて、更に二人の両親がいるといった具合に連続形態の二元関係がその円周として存在する。
マクロの宇宙からミクロの宇宙そしてその間にあるミディアムの宇宙までを貫く、二元論と三元論の法則です。
20世紀までとは非連続の21世紀にするために、支配・被支配二層構造社会と世襲・相続の差別社会の表裏一体の二元関係から、支配・被支配二層構造と世襲・相続の差別社会を超えた三元関係の新しい社会にしなければなりません。