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Chapter 734 見慣れない病(やまい) 肉体は五臓六腑と五感とで構成されています。 五感は目・耳・鼻・舌・肌であり、つまり自己の肉体と他者(外界)との境界を成す外部器官であるのに対し、五臓六腑は内部器官であり、心臓・肝臓・脾臓・肺臓・腎臓の五臓と小腸・大腸・胃・胆嚢・三焦・膀胱の六腑のことであります。 三焦は聞き慣れない語でありますが、東洋医学で言う「気」・「血」・「水」の道のことであります。 女性は産後に血がすべて入れ替わると言われており、その時に「血」の道がおかしくなり病(やまい)の丙状態に陥るのが三焦の疾患の典型です。 体を上・中・下に三分割して、「気」が上がるとか、「血」が下がるとか、「水」が留まっているとか言って体調の変化を表わします。 五臓六腑に含まれていない臓器に膵臓があります。 古代中国では膵臓は不要なものと捉えられてきたために五臓六腑に認められなかったようですが、現代中国では膵臓のことを、月(にくづき)に夷(えびす)ですい臓を表していて、夷(えびす)とは“見慣れないもの”という意味があり、見慣れない臓器と言うわけです。 因みに、日本では昔から夷(えびす)とは北海道・東北地方のことを指していて、見慣れない土地であったから、征夷大将軍などといった言葉が生まれたのです。 内部器官でもう一つ含まれていないのが脳であります。 脳は脊髄の延長でありまして、骨・神経といった肉体の屋台骨の一つと考えたらいいでしょう。 見慣れない臓器である膵臓の病気として糖尿病があります。 寿命(生命)を維持しているのが生命エネルギーであるのに対し、誕生してから死ぬまでの間の生つまり運動を維持する運動エネルギーの源泉が食べ物の摂取であります。 食べ物は肉であっても、野菜であっても、米であっても最終的にはぶどう糖となって、肝臓に蓄積され、運動エネルギーとして使用される際にグリコーゲンに変わります。 ぶどう糖が運動エネルギーに使われるグリコーゲンに変わる際に必要なホルモンをインシュリンと言って、膵臓でつくられます。 インシュリンが膵臓で十分につくられないと、運動エネルギーが十分につくられないことになり、疲れやすくなったりするのが糖尿病の症状です。 膵臓にはもう一つ消化液を分泌する役目もあります。 膵臓は胃の背部にあって、十二指腸にへばりつくようにあります。 つまり膵臓は胃及び十二指腸と微妙な関係があると言ってもいいわけで、六腑である胃と十二指腸は五感で感知した結果湧き上がってくる「想い」と深い関係があるのです。 ストレスが溜まるとすぐに胃と十二指腸に影響がでる所以であります。 本来見慣れない臓器であった膵臓が「想い」と大いに関係がある。 まさに現代病の典型である気の病(やまい)であるのです。 ストレスがそれほど多くなかった時代には無い病(やまい)であるわけです。 逆に言えば、ストレスが極大化される高度情報化社会になると、最も多い病(やまい)になるわけです。 現代西洋医学での糖尿病の対症療法は食餌療法であり、重症になるとインシュリンを注入していますが、根本的治療にはなっていません。 糖尿病の元である膵臓の病(やまい)は、見慣れない病(やまい)であることを忘れてはいけません。 見慣れない病(やまい)とは、すべてストレスつまり五感と「想い」による連想の為せる業であるのです。 |