Chapter 768 今こそ“清貧”の生き方を

人口の急増に呼応して地球規模で貧富の格差が拡がっています。
人口急増の最大原因である低開発国での貧困は目を覆うばかりで、貧困が飢餓を生み、飢餓が人口急増を生むという悪循環に陥っているのです。
一方、人口が急減している先進国においても、貧富の格差は拡がり、貧困が人間の心を退廃させ、ホームレスを生み、犯罪を生み、更に人口急減に拍車を掛けるという、これまた悪循環に陥っているのです。
貧・富二元論は、貧の程度の問題であることを、わたしたちが理解していないのが最大の原因であります。
貧富の格差が拡がるということは、貧の数が圧倒的に多くなるという意味であり、量が多い貧と、質の好い富とがよりはっきりするという意味でもあり、貧の数がより多くなり、富の質がより高くなるわけです。
圧倒的多数を占める、わたしたち一般民衆が、質の高い富を求めるのは土台無理な話であるのに、どぶネズミの暴走のように、後(うしろ)から質の高い富を求め続けているのです。
質の高い富を求める一般民衆の行動心理はロボット的になります。
数の多い一般民衆が求めた時は、時すでに遅いのです。
1985年から始まり1989年に破裂したバブル経済で、一般民衆が株や土地・マンションに手を出し始めたのは、1989年に入ってからであり、バブル経済を演出した連中は、その時既に手を引いていたのです。
“株を買ったら必ず儲かる”
“ワンルーム・マンションを買って貸したら必ず金利差で儲かる”
“土地を買ったら必ず上がる”
マニュアル化された、これらの甘い言葉に乗って、一億総バブル国民になっていたのです。
結果は、株の大暴落に始まるバブルの破裂であります。
圧倒的多数を占める者が挙って、質の高い富を求めはじめると、行動様式がロボット化するのが特徴です。
一般民衆の行動様式がロボット化している兆候は、車の運転マナーに表れています。
どぶネズミの暴走の先頭を切る東京では、バブルが破裂した15年ぐらい前から既に起こっている現象ですが、どぶネズミの暴走の殿(しんがり)をいつも務める大阪でも数年前から兆候が表れています。
以前の大阪では、信号が赤になってからでも、5、6台は必ず信号無視する車が常識になっていた現象が、ここ数年前からピタッとなくなりました。
この現象は日本全国で見られます。
法(ルール)遵守の精神が日本国民にも浸透してきた様に一見見えます。
しかし、世界一の治安を誇っていた日本は今や、治安悪化の一途を辿っているのが現状であり、法(ルール)の遵守精神は退化していることを一方で象徴しています。
つまり運転マナーが一見良くなったような現象は、法(ルール)遵守精神が進化したのではなくて、考えることができないロボット化した人間が激増したことを示しているのです。
どぶネズミの暴走の殿(しんがり)をいつも務める大阪でも、この兆候が表れているということは、日本一億総どぶネズミの暴走がいよいよ断崖絶壁から落下する時期が来ていることを示唆しているのです。
“時すでに遅し”であります。
ひとり一人が、質の高い富を追い求めることから、数の多い貧に目を向ける時期であることを肝に銘ずべきであります。
貪欲な心を捨て、清貧の心で生きることが肝要であります。