Chapter 770 男と女

近代における男性社会は、科学技術の画期的な進歩で代表されました。
科学が哲学に対峙した攻撃的側面を有している所以です。
近代科学はまさしく他人の家に土足で踏み込むごとく、地球や宇宙からすれば想えたことでしょう。
宇宙開発と称して、人類が宇宙の旅に出かけることは、侵略行為に外ならないのです。
人類を含めた地球上に存在する生命体は、地球及びその衛星である月とで形成された地球系に閉じこめられているのです。
地球とその衛星である月との間の往来は許されているが、それ以外の宇宙系に足を踏み入れることは許されていないのです。
系が違うということは、システムが違うということであり、地球系と他の宇宙系との間には深淵(Abyss)が厳然と横たわっているのです。
太陽系惑星群と地球の間は非連続であると申しました意味が、この点にあります。
150億年前に、ビッグバンによって、わたしたちの宇宙(全体宇宙)が、絶対宇宙から誕生しました。
女性の胎内での受精がまさしくビッグバンであるように、静止の暗闇と沈黙の絶対宇宙の胎内でビッグバンという受精が起こり、無の世界から有の世界が誕生したのです。
無の世界である絶対宇宙と有の世界である全体宇宙の間も非連続であり、その間にも深淵(Abyss)が横たわっている。
誕生・死が静止の暗闇と沈黙の無の世界であるのに対し、生が運動の光と音(喧騒)の有の世界であります。
誕生して生を得たものは必ず死に至ることで円回帰運動を完結する。
静止から運動を経て再び静止に戻るわけであり、静止の世界と運動の世界は非連続であり、その間には深淵(Abyss)が横たわっているのです。
女性が静止の世界にいて、男性は運動の世界にいて、その間は非連続であり、深淵(Abyss)が横たわっている。
地球系を形成している地球と月の間は連続ですが、月は静止の暗闇と沈黙の絶対宇宙と非連続性で以て繋がっている、畢竟(つまり)、円回帰運動を完結するわけです。
従って、地球系に存在するものはすべて月を経由して静止の暗闇と沈黙の絶対宇宙へと回帰していく。つまり死であります。
女性の胎内で無から有が生じ、再び女性の胎内で有から無に回帰していくのが死の実態なのです。
太陽系惑星群では、それぞれの惑星の自転と公転の周期が固有であるのに対し、それぞれの惑星と衛星との間での自転と公転の周期が尽数比(1:1)であることが、その証左であります。
つまり惑星と衛星は常に正面同士向き合っているのです。
まさしく、オスとメスが正面同士向き合っている様相です。
地球が男性星。
月が女性星。
運動の光と音(喧騒)の全体宇宙が膨張と収縮を繰り返すように、地球系においても、膨張と収縮を繰り返します。
地球を中心とした男性社会から、月を中心とした女性社会への移行は、膨張過程から収縮過程への反転現象です。
今こそ、わたしたち人類の男と女は正面同士向き合って、お互いを理解することが必要な時期に差し掛かっているのです。