Chapter 788 遷都が急務

男女同権思想の中心が、一極集中した東京であります。
男女対等思想の中心が、多様化した大阪であります。
大阪を中心にした独特の関西文化(浪花文化)がいま崩れようとしています。
頑なに守ってきた関西弁が消滅の危機に直面しているのが、その典型的な兆候です。
組織社会の申し子である東京で使用されている東京弁つまり新標準語が、個人社会の申し子である大阪を席巻しているのです。
東京は国家という組織が創出した町であるのに対し、大阪は民衆(庶民)という個人が創出した町という決定的な違いがあります。
明治維新政府による富国強兵策、昭和維新政府(アメリカ占領軍GHQ)による一億総腑抜け政策の後押しによって、組織社会の申し子として巨大都市・東京が誕生したのに対し、大阪は道路一つから民衆(庶民)のお金で建設してきた町であります。
東京タワーは政府のお金で建設されたが、通天閣は大阪庶民の手で建設され、大阪城の改築工事も大阪庶民のお金で為されたのであります。
組織の町・東京の巨大化が深刻化している財政赤字に拍車を掛けてきたことは、新宿の巨大な都庁が象徴しています。
深刻な財政赤字の中で、高齢化と少子化が進む日本社会。
高齢者は量的尺度で計られ、子供は質的尺度で計られる社会。
人口の増加を抑えるために取られた中国の「一人っ子」政策が、子供を質的尺度で計り過ぎたために、子供を甘やかす危険な文化を創出してしまったように、日本で進んでいる高齢化と少子化問題が、子供を甘やかす危険な文化を創出しているのです。
少子化の中で育った大阪の子供たちは、関西弁を使用することなく、殆どが新標準語である東京弁を使用しているという恐るべき状況に陥っているのです。
バブル時代に青春を送っていた女性が母親になった結果であります。
“金、金、なんでも金で解決する”文化を創出したバブル時代に青春を送り、その延長線上で結婚した彼らが、子供に与えた影響の一つが、新標準語の使用であります。
“なんでもあり”の勝手気ままな考え方が浸透している母子が織り成す少子化社会と、“なにもすることがない”の悲惨な考え方が浸透している高齢化社会が、新たな支配・被支配二層構造を生み、若者をちやほやし、老人を蔑む新しい差別が生まれようとしているのです。
少子化の中での子供の話言葉と、高齢化の中での老人の話言葉の相関関係が、そのバロメーターになっています。
子供に迎合した老人がやがて、新標準語を使いはじめたら最後、この国は、実質、死滅したことになるでしょう。
ひたひたと忍び寄ってくる男女同権思想と拝金主義思想とは表裏一体であり、その産物が高齢化と少子化社会であります。
遷都が急務であります。