Chapter 820 動物の好きな一般大衆たれ!

現代人間社会を支配しているのは、先に述べた幸福を探し求める、動物を嫌うタイプの人間です。
所謂、この世的成功を成し遂げた人々であります。
彼らは明確にこの世的成功を求めて、この世的不成功を忌避しています。
彼らは明確に富を求めて、貧を忌避しています。
支配階級の典型的な好いとこ取りの相対的一元論の考え方です。
わたしたち一般大衆は決してこの世的成功を求めてはいないが、この世的不成功も求めていない。
わたしたち一般大衆は決して富を求めてはいないが、貧も求めていない。
被支配階級の典型的な中途半端な考え方であります。
運動の光と音(喧噪)の宇宙では、二元論が厳然と働いているから、質と量は反比例する。
支配階級の彼らは、量が少ない、質の高い志向ですから、たとえ歪な好いとこ取りの相対的一元論の考え方であっても、二元論に則している面があるのに対して、被支配階級のわたしたち一般大衆は、量の多い、質の低い志向のカテゴリーにいながら、質の低さを求めていないという、二元論に則していない面がある。
この違いが、支配・被支配二層構造たらしめている原因であるのです。
ゴマを摺らないと絶対に出世つまりこの世的成功は覚束ない風潮が蔓延してきた現代社会の大企業や国家といった大組織ですが、家庭という最小単位の組織にまで、この風潮が及んでいます。
子供が親(特に母親)に対してゴマを摺るわけです。
父親の威厳失墜が加速している。
母親が大蔵省(財務省)という金庫番だからです。
現代社会が超拝金主義である所以であります。
ゴマを摺ることに徹している人間が支配階級、ゴマを摺ることにすら徹することができない人間が被支配階級に配される社会であるわけです。
わたしたち一般大衆が、好いとこ取りする相対的一元論の考え方にすら及ばないのが原因であり、好いとこ取りの相対的一元論が優越する社会になっているからです。
量の多い一般大衆が、量の少ない支配階級の彼らより低い若しくは同じ考え方では、被支配階級からの脱却は覚束ないのです。
支配・被支配二層構造の社会から脱却するには、被支配階級のわたしたち一般大衆が、支配階級の彼らの考え方よりも質の高い考え方になるしかないのです。
民主主義社会では、国民のレベルより高い政治家(役人)は在り得ない所以がここにあります。
国民のレベルより高い政治家(役人)を求めるには、彼らより常に一歩先んじた国民でなければならないわけですから、民主主義社会では土台無理な話なのです。
自分たちのレベルの低さが、支配・被支配二層構造社会を助長させていることに気づくべきであります。
支配・被支配の鼬ごっこ、悪循環構造が見えてきます。
支配・被支配二層構造社会からの脱却は、支配階級側の問題よりも、被支配階級側の問題に掛かっていることを肝に銘じておくべきです。
そのためには、わたしたち一般大衆は決して、好いとこ取りの相対的一元論の考え方に染まってはいけないのであり、畢竟、幸福を探し求めるタイプではなく、真理を探し求めるタイプにならなければならないのです。