Chapter 829 元凶は相対的一元論(好いとこ取り)

時間は過去から未来への一方通行の流れであるという考え方は、二元論における好いとこ取り、つまり、相対的一元論と同じ考え方であります。
生を好いとし、死を好くないとする。
オスを好いとし、メスを好くないとする。
善を好いとし、悪を好くないとする。
強を好いとし、弱を好くないとする。
賢を好いとし、愚を好くないとする。
富を好いとし、貧を好くないとする。
幸福を好いとし、不幸を好くないとする。
天国を好いとし、地獄を好くないとする。
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健康を好いとし、病気を好くないとする。
神を好いとし、悪魔を好くないとする。
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過去から未来へ流れる時間を好いとし、未来から過去へ流れる時間を好くないとする。
膨張し続ける宇宙を好いとし、収縮する宇宙を好くないとする。
エントロピーが増加するのを好いとし、エントロピーが減少するのを好くないとする。
三本の時間の矢の流れが一方通行であるのを好いとし、三本の時間の矢の流れが両側通行であるのを好くないとする。
わたしたちが過去や未来に思いを馳せて生きている原因は、生・オス・善・強・賢・富・幸福・天国・・・健康・神を好いとし、死・メス・悪・弱・愚・不幸・地獄・・・病気・悪魔を好くないとする考え方で生きているからに外なりません。
過去や未来に思いを馳せるのは、時間の流れが過去から未来への一方通行であると思い込んでいるからです。
時間の流れが過去から未来へ流れる場合は、過去を憶えていて、未来は憶えていないことになります。
時間の流れが未来から過去へ流れる場合は、未来を憶えていて、過去は憶えていないことになります。
時間の流れが両側通行だと、過去を憶えていることもあるし、未来を憶えていることもある一方、過去を憶えていないこともあるし、未来を憶えていないこともあることになり、畢竟、過去や未来は実在しない証明になるのです。
過ぎ去った過去を憶えていて、未だ来ぬ未来を憶えていないと思い込んでいるから、過去(未来)を実在すると信じ込めるわけで、その結果、過去(未来)に思いを馳せることになるわけです。
過去を憶えていることもあれば、未来を憶えていることもある。
過去を憶えていないこともあれば、未来を憶えていないこともある。
結局の処、過去も未来も実在しないということになるのです。
過去や未来が実在しないということは、『今、ここ』しか実在するものはないことになります。
わたしたちが、『今、ここ』を生きるのを難しくしている原因は、過去は憶えているが、未来は憶えていないと思い込んでいるからに外ならないのです。
時間の流れとは一方通行であってこそ可能であり、両側通行では流れは止まってしまうのです。
時間には、過去から未来への流れと、未来から過去の流れの両方があるとするなら、過去や未来に思いを馳せることは不可能になり、必然、『今、ここ』にいることになるのです。
二元論の間違った捉え方である、好いとこ取りの相対的一元論の考え方が、『今、ここ』にいることを難しくしているのであります。