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Chapter 910 言葉の歴史 日本語という言葉は実に簡単な言葉ですが、実に厄介な言語でもあります。 話し言葉は易しいが、読み書き言葉、つまり、文字は難しい。 欧米社会の言語、つまり、英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語といったものは、古代ローマ帝国で使用されていたラテン語、つまり、古代ギリシャ語を語源としており、話し言葉と読み書き言葉が同時につくられたのに対し、日本語は最初に話し言葉だけがあり、中国語である漢字が伝来してはじめてそれまでの話し言葉から平仮名・片仮名・万葉仮名という読み書き言葉、つまり、文字がつくられた。 話し言葉からつくった文字を表音文字と言います。 読み書き言葉と同時につくった文字を表意文字と言います。 中国から伝来した漢字は表意文字ですから、中国の言葉は読み書き言葉、つまり、文字からつくられたわけですが、これは古代文明の特徴で、エジプト文明・メソポタミア文明・インダス文明・中国文明といった古代文明の特徴は、話し言葉と同時に読み書き言葉、つまり、文字(象形文字)の発明が為されたことが文明の象徴であったわけです。 日本にも縄文時代・弥生時代といった古代文明があったが、世界の文明と称されない理由が文字を持たなかったことにある。 文字を持たない国は文明国ではないというわけです。 日本の歴史が、八世紀のはじめに編纂された「記紀」つまり古事記と日本書紀からしか無い理由は、文字を持たなかったからだと言われています。 紀元645年の「大化改新」で滅ぼされた蘇我一族は、それまでの歴史書をすべて焼いてしまったと記録に残っている事実は、「記紀」以前にも歴史書があったことを証明しており、中国語の影響を受けた平仮名・片仮名・万葉仮名以前に既に文字があったことを伝えているわけです。 「エビス文字」「アヒル文字(出雲文字)」といった象形文字が既にあったようで、これらの象形文字はシュメール文字が語源とされています。 シュメールとはメソポタミア文明発祥の地のことであり、人類発祥の地でもあります。 白人のルーツであるインド・アーリア系、黒人のルーツであるアフリカン・ブラック、黄色人種のルーツであるモンゴロイドはすべてシュメールから起こった。 シュメール文字は紀元前15世紀頃にはシナイ文字、ウガリット楔形文字、紀元前13世紀にはミネアン文字、紀元前9世紀にはモアブ碑石、そして古代ヘブル文字と変遷していった。 現代ヘブライ語は古代ヘブル文字、つまり、古代アラム語を語源としており、延いてはシュメール文字に行着くのです。 アラビア文字・ペルシャ文字も古代アラム語を語源としており、延いてはシュメール文字に行着く。 人類発祥の地が文字発祥の地でもあるわけです。 平仮名・片仮名は中国語つまり漢字の影響も受けているが、シュメール文字の影響も受けていると考えられるわけで、シュメール文字は音の基本であるア(A)・ウ(U)・ン(MN)からつくられたのであります。 世界に五千種類あると言われる言語も突き詰めてみればシュメール文字にあり、他の生き物も鳴き声・叫び声として使用しているア(A)・ウ(U)・ン(MN)という三つの音に戻るのであります。 |