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Chapter 942 過去・現在・未来の実相 文明という澱んだ水をいっぱい飲んでいる現代人はまさしく映像人間であります。 夢を現実だと勘違いする映像人間です。 映画を観て感情移入する映像人間です。 映画を観るとは、映像を見る・聞く・匂う・味わう・触れることを言います。 五感で感知した過去情報こそが映像であり、過去情報である映像を恰も現実であるかのように洞窟の壁に映し出された影が映画であります。 洞窟の壁に映し出された影を現実だと勘違いして、あれこれ忖度することが感情移入に外ならない。 夢の実体は過去情報である記憶であります。 映画の実体は過去情報であるフィルムであります。 あれこれ忖度する感情移入の実体は欲望であり、欲望とは過去情報である記憶を未来に投影した映像に外なりません。 未来は過去の映像に外ならない。 8分前という過去の太陽情報を8分後という未来の太陽情報に映し出された映像を現在の太陽と勘違いしているのが五感なのです。 過去の映像である未来を現在と思い込むのが五感の為せる業であります。 夢を観るとは夢を五感で感知することであり、夢を五感で感知するとは過去・現在・未来の区分けがなくなることであります。 夢の世界に時間の概念が無い所以です。 ところが、目が醒めている時は、時間の概念が有る。 夢を観ているのは眠っている時だと勘違いしている所以です。 目が醒めた状態、つまり、所謂現実を現実だと勘違いしている所以です。 わたしたちは、一日を目が醒めている人生と、眠っている人生とに区分けしています。 眠っている人生の中に夢があると思っている、いわゆるREM睡眠のことです。 目が醒めている状態と、夢を観ている状態、つまり、REM睡眠はまったく同じで、五感が機能しています。 敢えて違うと言えば、嗅覚・味覚・触覚機能が低い状態が夢だと言えます。 目が醒めている状態では視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚が正常に機能しているのに、夢を観ているREM睡眠状態では嗅覚・味覚・触覚の機能が低下している。 過去・現在・未来の区分けが無い夢の原因は嗅覚・味覚・触覚の機能低下にあるのです。 記憶を引き起こす原因は五感にあります。 わたしたち人間は視覚中心の生き物ですので、視覚中心で過去・現在・未来の区分けをしようとする習い性になっていますが、過去・現在・未来の区分けを正確にするには、五感すべてを機能させなければできないメカニズムになっているのです。 夢という映画では、嗅覚・味覚・触覚機能が低下している結果、過去・現在・未来の区分け機能も低下しているわけです。 五感機能こそが過去・現在・未来の区分け機能に外ならない。 五感で感知した過去情報、つまり、記憶を未来に投影した映像を現在(現実)だと勘違いしているわけです。 五感という肉体の一部を自分だと勘違いした結果です。 五臓六腑は過去・現在・未来の区分けなどしません。 生まれてから死ぬまで動き続けている、つまり、誕生(始点)・生(円周)・死(終点)の円回帰運動を完結しているからです。 五感が過去・現在・未来の区分けをしているのです。 目が醒めている状態と、夢を観ている状態、つまり、REM睡眠状態では、五感機能にばらつきが生じるからです。 過去の記憶が湧いてくるきっかけは、匂い・味・肌触りです。 現在と確信するきっかけは、映像・音、特に映像です。 映像情報が最も速い(絶対速度の)光を媒体にしているからです。 結局の処、すべて錯覚に過ぎないのです。 夢の中で匂い・味・肌触りを感知できたら、過去・現在・未来の区分けが可能になり、REM睡眠は最早睡眠ではなくなります。 その時、目が醒めている状態の所謂現実も夢であることに気づくことが可能になり、夢を現実だと勘違いする映像人間から脱却することができ、文明という澱んだ水を甑にかけて透明な水にすることができるでしょう。 気づき、目覚めが甑であります。 |