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第六十二話 言わぬがハナ 坂東武者は東国の狩猟民族がそのルーツである。 縄文人と言ってもいいだろう。 国津神を祖先とする出雲系民族と言ってもいいだろう。 天皇家を中心とした京の公家社会は西国の農耕民族がそのルーツである。 弥生人と言ってもいいだろう。 天津神を祖先とする高千穂系民族と言ってもいいだろう。 アメリカインディアンとコロンブス以降のヨーロッパ移民との関係と言ってもいいだろう。 アメリカインディアンもアラスカ経由でユーラシア大陸から、大昔に移民してきた民族であった。 結局の処は、原住民などはいない。 みんな移民なのである。 それを国境をつくって、あちらとこちらなどと言って、殺し合いをしている。 京都の碁盤の目のような町づくりは、中国の長安を真似したものだが、元を糺せば、イェルサレムの町を真似したものである。 陽が出る東の国と、陽が沈む西の国に、同じ碁盤の目の都(京)をつくった。 平安とはイェル。 京とはサレム。 ある日、平安京に坂東武者がやって来た。 ある日、イェルサレムにバビロニア人−現代のイラク人−がやって来た。 そして平安の日々を喧騒の日々に変えてしまった。 「ああああああ!」 そこで雄仁は夢から醒めた。 『ああ、夢だったのか!よかった!』 独りで呟いていると、雲西の監視の隙を狙って、ハナが囁いてきた。 夢の世界は、何でもありだ! いや雄仁は夢から醒めた筈ではないか! そんなことを言っておるから、頭がおかしくなるのじゃ! もともと頭をおかしくしておれば、頭がおかしくなることなどないのじゃ! いやこれ以上おかしくなれば、それこそ異常だと言われ兼ねません。 馬鹿もの! 異常に言われ兼ねないことなどあろうものか! せっかく、人目を忍んで囁きにやって来たハナも呆れ返ってしまったことに気づかない雄仁だった。 それでよかった! それでよかった! 「」のない、『』もない、一体お前は誰なのか? それを言っちゃおしまい! |