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第十七章 Al Qaeda 人間発祥の地ケセラで「意識の収斂」という、この世的には奇跡である超人間現象が起こり、巨大なエネルギーが一点に収斂したその頃、殆ど同じ地域で、やはり巨大なエネルギーが収斂する事件が起こった。 ペルシャ語を喋る国にアフガニスタンがある。 イランとアフガニスタンは隣国同士であるが、元を正せば同じ領域である証明が、同じ言語を使っていることだ。 1979年4月1日。 イラン革命が成立してアメリカが応援してきたパーレビ政権は崩壊した。 冷戦が終焉するちょうど10年前の事件である。 アメリカと雌雄を決する冷戦を演じていたソ連は、インド洋への出口を躍起になって模索していた。 アメリカにべったりであるパーレビ政権のイランには、ソ連の付け入る隙はなく、目を付けたのが隣国アフガニスタンであった。 イランには巨大な油田という神の恵みがあるが、アフガニスタンには峻烈な自然があるだけで、その中でもカイバル峠は世界で一番有名な峠だ。 アフガニスタンとパキスタンの国境にある峠だが、アフガニスタンに比べて、パキスタンという国の歴史は浅い。 インド亜大陸への出入り口がカイバル峠であり、3000年前にペルシャに住んでいたアーリア人がインド亜大陸を侵略した際の最大の難所がカイバル峠であったからである。 歴史を点で見れば、真実は殆どわからない。 歴史を線で見れば、真実は少し見えてくる。 歴史を面で見れば、真実は更に見えてくる。 歴史を体で見れば、真実は更に見えてくる。 イランやアフガニスタンという区分け、インドやパキスタンやバングラデシュといった区分けは、所詮、歴史を線でしか見ていない証拠だ。 イランもアフガニスタンもペルシャだ。 インドもパキスタンもバングラデシュもインド亜大陸だ。 これが、歴史を面で見ることだ。 3000年前に、ペルシャに住む白人の祖であるアーリア人が、ペルシャ大高原とインド亜大陸の間を阻むカイバル峠に臨んだ。 ドラビダ人の住むインド亜大陸を侵略するためである。 人類のルーツは白色インド・アーリア系、黄色モンゴロイド系、アフリカン・ブラック系の三種であり、ともに、ウルのシュメール人からの派生種に過ぎない。 後に世界に散らばっていった結果、アフリカン・ブラック系のドラビダ人はインド亜大陸に住んでいた。 そこに、白色インド・アーリア系の祖先であるペルシャ・アーリア人が攻め入り支配してしまう。 白色インド・アーリア系の誕生であり、それが3000年前のことである。 現在のインドシナ半島とインド亜大陸で、ユーラシア文明は二分される、つまり、インドシナ半島以東は黄色モンゴロイド系のアジア文明であり、インド亜大陸以西はインド・アーリア系のオリエント(中近東)文明だ。 3000年前では、それが白色アーリア系とアフリカン・ブラック系と黄色モンゴロイド系に三分されていた。 ユーラシア大陸とは、まさにオリエント世界であり、その中心にイランとアフガニスタンのペルシャがあった。 ペルシャの文明遺跡が残っているのは現在のイランであり、アフガニスタンは山岳地帯に過ぎなかった。 代表的なペルシャ文明にアケメネス朝ペルシャとササン朝ペルシャがあるが、ともに現在のイラン領内にある。 アケメネス朝ペルシャは紀元前550年から紀元前330年までの王朝であり、ペルセポリスを都とした文明だが、テヘランの南1000kmに位置する現在の都市シラズの郊外にある。 ササン朝ペルシャは紀元226年から紀元651年までの王朝であり、クテシフォンを都とした文明だが、現在ではイラク領に位置する。 インド亜大陸と中国の中原地帯の狭間にヒマラヤ山脈があるように、ペルシャとインド亜大陸の狭間に自然の脅威が聳え立っているのがアフガニスタンという国なのである。 自然の脅威は人類の文明など木端微塵にしてしまう。 ソ連がインド洋への出口としてアフガニスタンに目を付けざるを得なくなり、ソ連がアフガン侵攻をする6年前に、アメリカはベトナムから撤退を余儀なくされた。 メコン川を中心にした自然の脅威が、近代兵器のアメリカを木端微塵にしたのである。 ベトナム戦争で学習したアメリカは、ソ連のアフガン侵攻にほくそ笑んだ。 ベトナム戦争で血まみれになったアメリカのCIAは、アフガン侵攻でソ連のKGBが血まみれになる予想をより確実にするために、プロのゲリラ戦士をアフガニスタンに送り込むという秘策を練った。 ゲリラ組織Al Qaedaの誕生である。 |