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第二十六章(Part 2) 下鴨神社の謎 糺(ただす)の森がある下鴨神社の東殿の祭神は玉依媛(たまよりひめ)で、伝説では、賀茂川で川遊びをしていた玉依媛(たまよりひめ)に、川上から流れてきた丹塗矢(にぬりや)が感応して賀茂別雷神という上賀茂神社の祭神を生んだという、処女懐胎伝説がある。 そして、その神社の入り口に二百メートルぐらいの参拝路があり、その両側が糺の森と言われて、もともとそこには糺の池という名の小さな池があった。 そして太秦の木嶋神社には、元糺(もとただす)の池がある。 つまり、下鴨神社の糺の池の原型は木嶋神社にある池で、その社は景教という原始キリスト教ネストリウス派を日本へ伝来させた秦一族の神社なのである。 しかも、上賀茂・下鴨両神社は、伊勢神宮に準じた格式の高い神社で、特に伊勢の斎宮(いつきのみや)に準じ、過去下鴨神社の斎王をも兼ねていた神社である。 聖母マリアの処女懐胎、ヨハネによるイエスの洗礼に倣った伝説がこの日本の国に既に三世紀から四世紀に伝わっていたことは何を意味するのか。 日本史上で、天皇家乗っ取りを計画実行しようとした足利義満、そして闇の中ながら天皇家を認めることは到底出来なかったであろう合理主義の織田信長。 この二人の、天皇家側からすると謀反者を如何に抹殺するかが、天皇史上最大の課題であったに違いない。 そのルーツを探るには、どうしても糺の池を雄仁に知らしめておく必要が、教授にはあったのだ。 「ほら、あそこが糺の森だ」 教授が言う森は、いわゆる森とはおよそかけ離れたような小さな林であった。 「あの中に石がいっぱいあるだろう。今は水は枯れているが、糺の池だ」 そう言われても、現実に池があるわけではない。 「どうして水が枯れたのですか?」 雄仁が質問すると、教授は得意気に答えた。 「その理由を知るためには時空の世界を超越する必要がある。つまりタイムトンネルに入らなければならない」 教授が何を言いたいのかさっぱり分からない。 しかし、その謎は、その日のうちに思い知らされることになるのだ。 |